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唾する
「唾する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唾するの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒百合」より 著者:泉鏡花
なら、おいらにゃあ敵だぜ。」 「私は死んでしまいます。」 「へへ、駄目だい、」と
唾するがごとく叫んで、滝太郎は飛んで拓に来た。 「滝だ、大丈夫だ。」 「お雪には....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
りも、はるかに緊張充実したものだから面白いではないか……と言ったとて、決して眉に
唾するような話ではない。極めてありふれた、道理至極した話なのだ。 まず吾々の日....
「三国志」より 著者:吉川英治
彼も善心を起して、自分へ情けを寄せてきたのだ。人の美徳を辱めるのは、人間の良心へ
唾することになろう。この暗澹たる濁世にも、なお、人間の社会が獣にまで堕落しないの....
「三国志」より 著者:吉川英治
騰はひとりで買いかぶっていたとみえる」 憤然と、彼は席を立ちながら、主の沈黙へ
唾するように云い捨てた。 「これも国の柱石ではない! 無用な苔ばかりはやした、た....
「三国志」より 著者:吉川英治
となって、昏絶してしまった。周瑜もさすがに、顔面蒼白になって、睨めつけていたが、
唾するように指して、 「思い知ったか!」 云い捨てると、そのまま、営中へ休息に....
「三国志」より 著者:吉川英治
は決してない。そういう人間をつかまえて、大王のしていることは、まったく天に向って
唾するようなものですよ」 魏王宮落成の大宴の日が来た。国々の美味、山海の珍味、....
「三国志」より 著者:吉川英治
この忠魂、なんぞ死を怖れんやです。まして初志をまげることなんか嫌なこッてす」と、
唾するように云い放った。この強情には、呉王もあきれ果てたものとみえ、 「この我儘....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
」 「何。逃がしたと」 「どこへ潜ったやら、見つかりませぬ」 「その人数でか!」
唾するように、 「ええい、措け措け。――それよりは、この朝臣こそ大事なれだ。それ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
組が方々から聞え出していた。 それに憤激して、いちいち告げてくる伝令へ、長崎は
唾するように言った。 「……なに、追い討ちかけて、引き止めようと申すのか。待て待....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
。 「馬鹿いうなよ」 専右衛門は、自分にたかりたがっている町の者の顔を見ると、
唾するようにいった。 「それやあ、秋繭の時ゃあよかったさあ。だが、いつも柳の下に....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の全身が梵鐘のように鳴って四辺の寂寞をひろく破ったせいであろう。 「――ちいッ」
唾するような息が、相手の口をついて走った。四名は四本の刀をならべて、車形になった....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、婆が一念の刃を、受けてみるか、武蔵ッ、支度しやいっ」 婆は、そういって、手に
唾するのか、左手の指を唇へちょっと当て、短い脇差の柄へその手をかけてつめ寄った。....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
た。
「――帰れっ」
十郎左衛門はさらにいって、
「見世物ではないっ」
と、
唾するように苦りきった。
「……ウム」
息を引くように、青ざめた面をうなずかせ....