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商い
「商い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
商いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
なぞと云うからよ。」 「そりゃ、何でさ、ええ、ちょいとその気になりゃなッたがね、
商いになんか行くもんか。あの母親ッて奴を冷かしに出かける肝でさ。」 「そういう料....
「河明り」より 著者:岡本かの子
を嵌めた船板を使ったので、菱垣船と云った。廻船業は繁昌するので、その廻船によって
商いする問屋はだんだん殖え、大阪で二十四組、江戸で十組にもなった。享保時分、酒樽....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
すものでござんす。二日置き、三日|置に参って、お山の花を頂いては、里へ持って出て
商います、丁ど唯今が種々な花盛。 千蛇が池と申しまして、頂に海のような大な池が....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
みに泣いていたのかも分らない。――そうでなくて、いかに悲痛な折からでも、若い女が
商いに出てまで、客の前で紙を絞るほど涙を流すのはちと情に過ぎる。大方は目の煩いだ....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
潟に漁って活計とするものは、三百人を越すと聞くから、あるいは半漁師――少しばかり
商いもする――藁屋草履は、ふかし芋とこの店に並べてあった――村はずれの軒を道へ出....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
州街道で、小商人、煮売屋ともつかず、茶屋ともつかず、駄菓子だの、柿だの饅頭だのを
商いまする内の隠居でございまして、私ども子供の内から親どもの話に聞いておりました....
「露肆」より 著者:泉鏡花
せん。と申すが、唯今もお話しました通り、火が消えないからであります。そこで、手前
商いまするのは、ラジーンと申して、金山鉱山におきまして金を溶かしまする処の、炉壺....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
が備わりませぬで、一目見てちゃんと知れる。どこへ出しても偽物でございますが、手前
商いまする銀流しを少々、」と言いかけて、膝に着いた手を後へ引き、煙管を差置いて箱....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
に触れるのは、お桂ちゃんの母親で、もう一昨年頃|故人の数に入ったが、照降町の背負
商いから、やがて宗右衛門町の角地面に問屋となるまで、その大島屋の身代八分は、その....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
眺めた。 日々に壊滅して行く伯林の小産階級。あすこでこういう程度の荒物屋は荒物
商いだけでは勿論足りないので大概素人洗濯を内職にしていた。親一人、子一人。娘が一....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
よって地主へ年貢米や利子払いを殆んど済ましていたし、その他、肥料屋の払いや、村の
商い店――油屋からの半期間の細々した帳面買いも、とにかくどうにか片をつけて、旧正....
「瘤」より 著者:犬田卯
下男の助次郎が、ちょうどその時刻に、煙草を買うために、部落の端れの、沼岸に添った
商い店の障子をあけて中へ入ると、 「いよう、あんちゃん――」と言葉をかけられた。....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
、ずぶ濡れになってしまって飛び込んで来たンでしたが、ちょうどそこに、××から蟹を
商いにやって来たおいささんという女のひとが、やはり雨宿りしていたんですよ。おいさ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
な声で鰹―― 生鰹と売って通る。鰯こい、鰯こいは、威勢の好い小児が呼ぶ。何でも
商いをして帰って、佃島の小さな長屋の台所へ、笊と天秤棒を投り込むと、お飯を掻込ん....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
し、其の下にほんの取引きに必要なだけの見本を並べるのであった。それだからと言って
商いが少ないと言うわけではない。 なにしろ東京中の一流の料理屋が使う白魚と鮎に....