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「商売道具〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

商売道具の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
え、大事なものよ。おまえさんに見せて上げましょうか。あたしの袂に忍ばせてあるのは商売道具の青大将よ」 そばにいた女中たちはきゃっといって飛び上がった。まだその....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
様もなかったが、それでも早くその百円を取り戻さねばならぬと、いろいろに工夫した。商売道具の衣裳も、よほどせっぱ詰れば染替えをするくらいで、あとは季節季節の変り目....
世相」より 著者:織田作之助
なかった。散髪の職人だというのに不精髭がぼうぼうと生え、そこだけが大人であった。商売道具の剃刀も売ってしまったのかと、金を渡すと、ニコニコして帰って行ったが、そ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かの乗合をかきわけて彼の胸倉を引っ掴んだ。 「やい、この泥坊。よくもおれが大事の商売道具を盗みやがったな。これ、池鯉鮒さまの罰があたるぞ」 泥坊と人なかで罵ら....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
談して、四月のはじめにひと先ず横浜を立ち退くことにしたが、その時ロイドには無断で商売道具の蝋人形を持って行ってしまったのである。江戸ではまだこの新手を知るまいと....
婦系図」より 著者:泉鏡花
読本を買いましたね。」 「先生、これは何て云うの?」 「冷評しては不可ませんな、商売道具を。」 「いいえ、真面目に、貴下がこの静岡で、独逸語の塾を開くと云うから....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
が怖ろしくなって来た。 彼はなんのために針のようなものを持っているのか、盲人の商売道具であるといえばそれまでであるが、あれほどに太い針を隠し持っているのは少し....
わが町」より 著者:織田作之助
の荷車も置かれ、なお、病人もいないのに置かれている人力車は、もちろん佐渡島他吉の商売道具である。 この空地は洗濯物の干場にもなる。けれど、風が西向けば、もう干....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
四五人群がって船の着くのを見守って居た。 私の好奇心は我慢し切れぬ程高まって、商売道具の掃除をして居られなくなった。一つ見物してやろうと思って立ち上ろうとする....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
うですよ。」 と愛嬌よく莞爾した。 「や、そりゃ、酒田さん驚いたでしょう。幾ら商売道具でも暗やみで打撞っちゃ大変だ。」 「ですから、お気を注けなさいまし。夫と....
」より 著者:岡本綺堂
ます。」と、お元はうるんだ眼をかがやかしながら答えた。「岐阜の宿をぬけ出す時に、商売道具は勿論、鼠もみんな置き去りにして来たのでございますが、途中まで出て気がつ....
妖婦」より 著者:織田作之助
高く、町中見栄を張りたがり、裏店の破れ障子の中にくすぶっても、三月の雛の節句には商売道具を質においても雛段を飾り、娘には年中派手な衣裳を着せて、三味線を習わせ、....
夜光虫」より 著者:織田作之助
し、豹吉は立ち停ろうとしなかった。 警官に追われていたのだ。 次郎と三郎は、商売道具を放ったらかしてあとを追うた。 必死になって逃げ行くあとを必死になって....
猟師と薬屋の話」より 著者:小川未明
けたいためからで、ただ金もうけのためばかりではありません。きけばお困りになって、商売道具をお売りなさるとか、とんだことです。私は、ここに金を置いてゆきますから、....
わが町」より 著者:織田作之助
の荷車も置かれ、なお、病人もいないのに置かれている人力車は、長屋人の佐渡島他吉の商売道具である。もちろんここは物干し場にもなる。けれど、風が西向けば、もう干せな....