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善根
「善根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
善根の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
武士《ぶし》が大切の刀を売るとは、あまりに分別が至らぬように思わるるぞ。なさけも
善根《ぜんこん》も銘々の力に能《あた》うかぎりで済ませればよし、程を過ぎたら却《....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
たのを見れば、土砂を運び来って繕うた。かくして、畿内から、中国を通して、ひたすら
善根を積むことに腐心したが、身に重なれる罪は、空よりも高く、積む
善根は土地よりも....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
生の思出に、莞爾したいと云うのですから、お聞届け下さると、実に貴女は人間以上の大
善根をなさいます。夫人、大慈大悲の御心持で、この願いをお叶え下さるわけには参りま....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
蔑の色を浮べ出した。それから無愛想にA中尉の顔を見、冷かすように話しかけた。 「
善根を積んだと云う気がするだろう?」 「ふん、多少しないこともない。」 A中尉....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
、お前は何うやら厭飽たらしい」 「いえいえ、そんな事はございません」 「では何故
善根を積まぬのじゃ?」 「え、
善根と仰有いますと?」 「殺生などをしない事じゃ」....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
それではあのお部屋は、十年間|閉扉の間か! ……さすが悪漢毒婦にも、罪業を恐れる
善根が、心の片隅に残っていたそうな。……ではあのお部屋にはあのお方の、いまだに浮....
「奉行と人相学」より 著者:菊池寛
、仔細は云えぬが、そちの命が助かるようになっているのだ。長吉、そちはよほど、人に
善根を施しているのだな」 「
善根とは……」 「人に情をかけたことじゃ。そちは、よ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
衛を知ってるものも別に仔細というほどのことを見出さない。本人も語らず、またかかる
善根功徳、人が咎めるどころの沙汰ではない、もとより起居に念仏を唱える者さえある、....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
すけれど、その行なうところを見るとそういう凄い殺伐の方でなくって、人に対して慈悲
善根を施し人を愛するということにおいては実に驚くべき観念を持って居られた。その点....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ら上申を致そう、たしかにそれが見たいものじゃが、というに亭主はほくほく喜び、見事
善根をしたる所存、傍聞する女房を流眄に懸けて、乃公の功名まッこのとおり、それ見た....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
申しても、仏法の方から申せば、それこれに同情して食を与える事がすなわち所謂|慈悲
善根でありまして、未来に仏果を得るの種となるのでありますから、これも一種の報償と....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
旅芸人、或いは渡り職人、旅商人とか、乞食法師とかの類であったが、かかる類の者は、
善根宿として修行者を宿泊せしめる場合のほかは、普通の民家には宿泊を許さない。また....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
弟子に侍れば、仏の撤下|賜べ」などと、殊勝なことをいっているのである。末世の衆生
善根の志少く、仏の御弟子も歌ったり踊ったりせねば、生きていくだけの衣食は得られな....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
身に一定の職業なく、居所を定めず、真に浮浪の生活をなしつつ、生産者たる農民の慈悲
善根に訴えて、無条件に衣食を乞うが如き輩は、真の乞食で、これは論外でありますが、....
「濫僧考」より 著者:喜田貞吉
、さらに最狭義の濫僧は、自ら遊芸あるいは労役に生活するの力もなく、都邑人士の慈悲
善根に依頼して、食を求めて生活する徒であったに相違ない。いわゆる濫僧供とは、主と....