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善良
「善良〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
善良の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
に薄暮に沈まんとす。予は諸君と訣別《けつべつ》すべし。さらば。諸君。さらば。わが
善良なる諸君。
ホップ夫人は最後の言葉とともにふたたび急劇に覚醒《かくせい》し....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
番前の机からさえ、公然と湧き返るようになった。こう云う自分たちの笑い声がどれほど
善良な毛利先生につらかったか、――現に自分ですら今日《きょう》その刻薄《こくはく....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
の震災以来、巡査になっているのですよ。護憲運動《ごけんうんどう》のあった時などは
善良なる東京市民のために袋叩《ふくろだた》きにされているのですよ。ただ山の手の巡....
「或る女」より 著者:有島武郎
人《ひとり》ぽっちで苦しめるだけ苦しんでいるに違いないのだ。それにも係わらずその
善良な心からどこまでも葉子の言葉に信用を置いて、いつかは自分の誠意が葉子の心に徹....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
しろがったり喜んだりする時には、私たちが「父の笑い」と言っている、非常に無邪気な
善良な笑い方をした。性質の純な所が、外面的の修養などが剥《は》がれて現われたもの....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
る法皇の御許によって、末世の罪人、神の召によって人を喜ばす軽業師なるフランシスが
善良なアッシジの市民に告げる。フランシスは今日教友のレオに堂母で説教するようにと....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
シオドはいかにして人間が神々によって創造させられたかを述べている。始めには人間は
善良で完全で幸福で、しかして豊富な地上の産物によって何の苦労もなく生活していた。....
「転機」より 著者:伊藤野枝
渦の中に巻き込まれているのであった。そして、それ等の事実の中に何の罪もない、ただ
善良な無知な百姓達を惨苦に導く不条理が一つ一つ、はっきりと見出されるのであった。....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
生は至って良かった方でござります……。』そんなことを申して居りました。 こんな
善良な人間でございますから、こちらの世界へ移って来てからも至って大平無事、丁度現....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
事は、実に彼等によりて築かれるのである。 それから又一部の霊媒達は、その性質が
善良で慈悲深い為めに、霊界の選抜に与かる彼等は多くの場合に於て、物理的心霊現象の....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
齢のせいだよ」などと言うことはどんなに残酷なことになるかわからないので、私はこの
善良な老人を慰める言葉に窮してしまい、黙つてさびしく笑うよりしかたがなかつた。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のだとも言っている。たしかに、この場所にはいまだになにか魔力が利いていて、それが
善良なひとびとの心に呪いをかけ、そのおかげで彼らはいつでも幻想にふけりながらうろ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ねて貯うるところの文銭(一文銅銭)二十何万円を売り金に換えんとするに、文銭は銅質
善良なるを以てその実価の高きにかかわらず、政府より売出すにはやはり法定の価格に由....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、亡者の住居に石で裏階子を掛けたような、苔に辷る落葉の径、しかも藪の下で、老猫の
善良なのがもし化けたら、このほかになりようはなさそうな、べろんと剥けて、くちゃく....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
すに至り、その説相伝えて風をなし、俗をなし、一般の性質となり、自然の教育となり、
善良の商人を化成するに至るなり。ゆえに、余はこれを競争の結果という。 わが人民....