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「喚び起す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

喚び起すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
った。たとい人間の悪戯にしても、こんな事が毎晩つづくのは、やがてほんとうの大火を喚び起す前兆ではないかとも危ぶまれた。気の早いものは荷ごしらえをして、いつでも立....
同志小林の業績の評価によせて」より 著者:宮本百合子
なボルシェヴィキ的精神の根源でありまた具体化、実践の場面である点から、特に注意を喚び起す。同志小林がこの点を記念碑的作品の全篇中にどう活かし得ているかということ....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
なかで味い返しているのではあるまいかと思われた。そして酒を飲むのも、こんな楽みを喚び起すためではあるまいかと思われた。 客はそんな話に一向興味を持たなかったの....
田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
この平民的な苗字が自分の中心を聳動《しょうどう》して、過ぎ去った初恋の甘い記念を喚び起すことは争われない。 その時のピエエルは高等学校を卒業したばかりで、高慢....
五月の唯物観」より 著者:寺田寅彦
、いかなる学説を立てようとも、青葉の美しさ、鰹のうまさには変りはなく、時鳥の声の喚び起す詩趣にもなんら別状はないはずであるが、それにかかわらずもしや現代が一世紀....
鑢屑」より 著者:寺田寅彦
歴や逸事のようなものを、誰にも分る普通の言葉で話して、そうして故人の追憶を新たに喚び起すようにした方がもう少し意味がありはしないか。 八 道....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
死するだろうが、彼等は昏睡から死滅に入って死の悲哀を感じない。現在君が大声あげて喚び起すと、目の覚めかかった幾人は驚き立つであろうが、この不幸なる少数者は救い戻....
哲学入門」より 著者:三木清
ゆく過程、それの実証・過程である」、とジェームズはいっている。我々の観念はそれが喚び起す行為や他の観念を通じて我々を経験の他の部分へ導いてゆく。この結合と移動が....
省察」より 著者:デカルトルネ
のである。 また最後に、私がそれにおいて過つところの判断、すなわち意志の作用を喚び起すために神が私と協力するということもまた、私は歎いてはならない。なぜなら、....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
が、それはいつでも――さっきの公判の時のように――彼の魂の奥底からそういう状態を喚び起すのであった。が、一方、その状態はまたその性質上ひとりでに起って、彼の上に....
解釈学と修辞学」より 著者:三木清
ものであり、表現作用の関係のうちに入っている。表現的なものが表現的な我々の言葉を喚び起すのである。認識といわれるものも根本においては表現作用の一つにほかならない....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
利益たる主権と自由との為めに闘っている。此の厳粛な時期に際して、芸術も亦、鬼神を喚び起す其の劇の上に、更に大胆な飛躍を試みる事が出来るのだ。芸術は此の飛躍を試み....
親鸞」より 著者:三木清
の根拠は末法時であるということである。しかるに末法の自覚は必然的に正法時の自覚を喚び起す。これによって正像末の歴史観が成立する。そして正法時の回想は自己が末法に....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
会の人のやって居る方は品が好く見え、下等社会の人のはごく下品で見るから嫌な感情を喚び起すような気味合いがあるです。 しかしチベットの下等社会の婦女子および大変....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
ったまま、身動きもしませんでした。 日にやけたこの顔も、この声も、彼女の記憶を喚び起すには充分であったほど、その瞬間の私は昔の私にかえっていたのでした。 智....