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喚起
「喚起〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喚起の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
まち》の川の水は、いっさいの反感に打勝つほど、強い愛惜《あいじゃく》を自分の心に
喚起してくれるのである。松江の川についてはまた、この稿を次ぐ機会を待って語ろうと....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
たけれども、その記事は、思ったよりも平易である上に、その内容は大江山警部の注意を
喚起するのに充分だった。 「無線と雑音の研究」を思いたったHS生は、東海道線大磯....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
新聞は「これこそ夜間大編隊来襲のウォーミング・アップなり」と報じ、一般の注意を
喚起した。 そのうち、月の明るい晩にやるつもりであろう。しかし当分はまっくらで....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
人の広告主は? このことについては、帆村は田鍋捜査課長にも報告して、その注意を
喚起《かんき》した。課長は帆村ほどこの問題を重大視はしていない。そしてこの二人の....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
る。正しく心音と思われる。 袋探偵はこのことをまことに若紳士に告げ、その注意を
喚起した。 「それは聞えている。しかしその音は、僕の胸の中でしているのではない。....
「見えざる敵」より 著者:海野十三
の前を過ぎゆく人に向って、SOSを叫んだ。硝子をドンドン叩いて、通行の人の注意を
喚起した。しかし誰一人、彼の方を見る者がなかった。 「変だなア。なぜ、こっちを見....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
も、まったく見向きもしなくなった。彼の友達らは彼に以前のような仕事に対する熱情を
喚起させようというので、彼を連れ出して、他の巨匠の作品を見せたりしたが、依然とし....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
態を吐くのだ。ましてや屈辱のあとだったから、いつものことを想い出すと共に敵愾心を
喚起した。 「きょうはなぜこんなに運が悪いかと思ったら、さてこそてめえを見たから....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
い取ろうと思った。とにかくに、この苦力らの風采がどんなに好ましからぬ記憶の流れを
喚起したかは、とても言葉に言い尽くせないのである。 「キッティ」と、私は叫んだ。....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
論理学、心理学など、先覚者のはじめて注意するところとなって、思想界に清新の気運を
喚起してきたのである。 明治初年の思想家で、哲学およびその他精神科学に関係のあ....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
山、下村、菱田などいう当時の新進気鋭の士の協力を獲て、明治中葉の画壇に一新気運を
喚起した後、明治三十四年(一九〇一)の末に至り、鬱勃の元気に駆られ、孤剣一路、東....
「妖怪学」より 著者:井上円了
なわち耳の感覚に属するものあり、もしくは形色等の類似によりて、一思想より諸思想を
喚起するものあることを、縁起、マジナイにつきて例証を示すこと、実に容易なり。 ....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
友人の家に雇い入れおきし男、夜中しきりにうなされ、いかにも困苦の様子なるにより、
喚起しやらんずる途端に、「火事よ、火事よ」と呼ばわる声聞こえ大いに驚き、家内残ら....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
信ずるをもって足れりとす。あえてその理法のほかに、ことさらに想像をたたきて天帝を
喚起するを要せず。某曰く、仏理の簡明なること、遠くヤソ教に勝れり。 英人某問う....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
格完成の芽)とが手を取り合うのであります。この法悦の刹那を、絶えず自分の心身上に
喚起し続けるのが仏教の修業法で、かくして日々の生活の一挙手、一投足が、自分のため....