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「喜ばす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

喜ばすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
乞食学生」より 著者:太宰治
ひばりの声が聞える。 若き頃、世にも興ある驕児《きょうじ》たり いまごろは、人喜ばす片言|隻句《せっく》だも言えず さながら、老猿 愛らしさ一つも無し 人の気....
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
絵《にしきえ》を買い、反物《たんもの》を買い、母や弟《おとと》や、親戚の女子供を喜ばすべく、欣々然《きんきんぜん》として新橋を立出《た》った。 翌年、三十一年....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
も、社会では喜ばない。文学者の世の中にふえるということは、ただ活版屋と紙製造所を喜ばすだけで、あまり社会に益をなさないかも知れない。ゆえにもしわれわれが文学者と....
雪の塔」より 著者:海若藍平
す。しかしクリスマスの日だけは子供の日ですから、大人の人は一生懸命になって子供を喜ばすようにしてやって頂きたいと思います」 皆は又も手を拍《う》って賛成しまし....
クララの出家」より 著者:有島武郎
、聖霊及び基督の御弟子の頭なる法皇の御許によって、末世の罪人、神の召によって人を喜ばす軽業師なるフランシスが善良なアッシジの市民に告げる。フランシスは今日教友の....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
へ行ったその時に、娑婆の不思議はアバタ面、二目と見られぬものだったと、エンマ大王喜ばす、土産話になるだろう。――おや、来るか鈴鹿の山賊共! 土産話が出来たと見え....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
那人と異うのだ――というような意味だ。しかし、それは、明かに冗談でむしろ、内川を喜ばす一つの手段の如く見えた。 彼は、古鉄砲でウンと儲けた内川から約束通りのも....
糸くず」より 著者:国木田独歩
尽くしてしまった。かれの衰え行く様は明らかに見える。 今や諧謔の徒は周囲の人を喜ばすためにかれをして『糸くず』の物語をやってもらうようになった、ちょうど戦場に....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
、こうつけたした。 「そんなものだわ、人生は。妙なものなのね。私たちだって、男を喜ばすために稼ぐ気持になることもあるわ。好きになッちゃったら、ハタからはミジメな....
貞操問答」より 著者:菊池寛
身がその空気の中に溶け込んで、浮れ出してしまうのであった。彼女の楽しさが即ち男を喜ばす言葉や仕草となって現われるのであった。前川が新子の妹だとは、到底気がつかな....
一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
したりする。雪渓の最後は巨大な雪塊が群立ち、写真で見る氷河の感を与えて自分たちを喜ばす。この小さいセラックスのような間を抜け出て、ようやく奥壁の岩場の最下端に達....
世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
術的でないから。西洋料理では物の色は大きな役目をしているといえない。従って、目を喜ばす色を持つ料理はないといってよい。だから、食器類が美術的によき発達をしていな....
インチキ鮎」より 著者:北大路魯山人
て出す。それを知らないで、中には自分の方から源平焼きをくれなどと注文して料理屋を喜ばす半可通もないではなかった。 半可通といえば、東京にはもっとひどい話があっ....
ひとりすまう」より 著者:織田作之助
ということはとにかく彼には済まないと思える行為であったから、その償いとしても彼を喜ばす必要がある。そう思ったのだが、しかし、明日子にそんなものを飲むなといわれて....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
て浮かれ人のままで生活しておったのであります。その遊芸については、単に人の耳目を喜ばすというばかりではなく、例の通り人の一番喜ぶめでたいことを述べて、先方の幸福....