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「喜ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

喜ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
まった時も、自分たちは喜びこそすれ、決して惜しいなどとは思わなかった。いや、その喜ぶと云う気さえ出なかったほど、先生の去就《きょしゅう》には冷淡だったと云えるか....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
》けながら、夜中《よじゅう》刑場に飛んでいたと云う。これもそう無性《むしょう》に喜ぶほど、悪魔の成功だったかどうか、作者は甚だ懐疑的である。 (大正十一年八月)....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
い玉が違ったにしても、受け取って貰った方が、受け取らずに返されるよりは、素戔嗚も喜ぶだろうじゃないか。して見れば玉は取り換えた方が、反《かえ》って素戔嗚のために....
将軍」より 著者:芥川竜之介
もう一人の支那人の後《うしろ》に立った。その態度は将軍以上に、殺戮《さつりく》を喜ぶ気色《けしき》があった。「この×××らばおれにも殺せる。」――田口一等卒はそ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
苦痛を眺めている。我我は互に憐まなければならぬ。況《いわん》や殺戮《さつりく》を喜ぶなどは、――尤《もっと》も相手を絞め殺すことは議論に勝つよりも手軽である。 ....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
云うのもある。『康頼|往生《おうじょう》』と云うのもある。おれはさぞかし康頼も、喜ぶじゃろうと思うたが、――」 「それは御立腹なすったでしょう。」 「康頼は怒る....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
突然造りつけたように動かなくなって、その代りさっきの吊皮が、さも自由になったのを喜ぶらしく、勢いよくぶらつき始めたじゃありませんか。新蔵は毎度の事ながら、この時....
或る女」より 著者:有島武郎
ばよござんすわ」 岡は自分に親しい人を親しい人に近づける機会が到来したのを誇り喜ぶ様子を見せて、いそいそと駆けて行った。その後ろ姿を見ると葉子は胸に時ならぬと....
或る女」より 著者:有島武郎
ろどっているといえば菊の花もあちこちにしつけられていた。しかし一帯の趣味は葉子の喜ぶようなものではなかった。塵《ちり》一つさえないほど、貧しく見える瀟洒《しょう....
星座」より 著者:有島武郎
ろだった。二人はさっき帰ったばかりの園が、不意にまた訪ずれてきたのを驚きながらも喜ぶように、もつれ合って入口に走りでた。毎日同じようなことを繰り返しながら、淋し....
猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
て赤と、青と、白とのリボンを首に巻き着けて見た、処が何れの猫も赤いリボンの首環を喜ぶものの如く、白いリボンを着けた時よりも、余程嬉しげに飛び廻って居たのである、....
土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
有するに見ても知るべきである。概して野蛮人は人を恐怖せしむるが如きものを表現して喜ぶ傾向を有するのである。されば玩具や人形は、単に無智なる幼少年の娯楽物に非ずし....
活動写真」より 著者:淡島寒月
トラを実写したものだとかいう写真は、一般にはどうか知らないが、真の活動通はいつも喜ぶものである。 よく端役という事をいうが、活動写真には端役というべきものはな....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
て中ソ両国が再確認をしたことにたいしましては、私ども平和外交の前進のために心から喜ぶものであります。 このようなアジアと日本の平和のためにはまず中国と日本との....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
れより夜を徹せん覚悟なれば、悠々として帰心の清興を乱す無く、殊に愈本時刻に入るを喜ぶは、夜行して暁天に近づくを喜ぶに同じく、得意の興趣、水上に投射せる己が影の長....