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喜悦
「喜悦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喜悦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
息が来るのを信じきって、その時をただ一つの救いとして待っています。その時の感謝と
喜悦《きえつ》とを想像で描き出して、小説でも読むように書いてあります。僕は岡君の....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
を向いてにっこりと笑ってみせた。 「これは素晴らしい美人だ!」ミルキ閣下は好色な
喜悦をあけっぱなしに叫んだ。「その女、名前はなんという」 「アネットという名がつ....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
音をたてて外へ開いたのだった。渓谷のような深い失望から、たちまち峻岳のように高い
喜悦へ、――。 (そうだ。杉箸の棒は折れたけれど、折れる前に、扉の腕金をすっかり....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
えてみても恐ろしい。病める人の枕べに非常な慰安をもたらし、疲れた人々の闇の世界に
喜悦の光をもたらすものではないか。その澄みきった淡い色は、ちょうど美しい子供をし....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
撃たれるところのものがあった。それに遠く行き去った愛惜物が突然また再現したような
喜悦に似た感情が、今度は今迄のすべての気持を反撥し、極々単純に、直ぐにも逢う約束....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
、喜兵衛は一種の慚愧と悔恨とに打たれた。世にたぐいなしと思われる名管を手に入れた
喜悦と満足とを感じながら、また一面には、今夜の自分の恥かしい行為が悔まれた。相手....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
み出して、両肱を水平に上げ、その拳を両耳の根につけて、それを左右に揺ぶりながら、
喜悦に恍惚となった瞳で、彼女は宙になんという文字を書いていたことであろう。意外に....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
でも最も単純な無邪気なものであり、また人類のまだ純潔であった時代の祖先らの労働と
喜悦とであったのであるから、今この庭を造る人のいかにも不安らしい様子を見ていると....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ど不可能であろう。 人力車の出現は、わたしの心を恐怖と、盲目的畏敬と、漠然たる
喜悦と、それから極度の絶望とで交るがわるに埋めた。私はシムラを去るに忍びなかった....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ないであろう。各自の部署を離れて、兵員室に行く部下の顔は明日の決行を思い、誇りと
喜悦の色に輝いている。 それから、昏々と眠りつつあったとき、大声で、艇長、三時....
「好奇心」より 著者:織田作之助
いう無用の長物に似た神秘のヴェールを切り取る外科手術! 好奇心は満足され、自虐の
喜悦、そして「美貌」という素晴らしい子を孕む。しかし必ず死ぬと決った手術だ。 ....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
神のこころは私にも判りません。併し元の通りに軽くなったのは、私の仕合せです。(
喜悦の色。)わたしはまだこの神に見放されないのです。これでようよう安心しました。....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
れは親父じゃアありません。」 「そうでしょう。」 「違った、違った。」と、人々は
喜悦の声を揚げた。七兵衛は嬉しさに又泣き出した。人々は消えかかった松明が再び明る....
「活人形」より 著者:泉鏡花
のだね。「それもそうじゃな。どれ、一つ杯を献そう。この処ちょいとお儀式だ。と独り
喜悦の助平|顔、老婆は歯朶を露き出して、「直と屏風を廻しましょうよ。「それが可い....
「絶望より生ずる文芸」より 著者:小川未明
的な、音楽的な世界に立って楽しむという心、そこにも我等の胸に沁み入る誠実と淋しき
喜悦とがある。又或るものは洗礼を受くべき暗黒轟々として刻々に破壊に対して居るとい....