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喧噪
「喧噪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喧噪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「器楽的幻覚」より 著者:梶井基次郎
はじめた。 読者は幼時こんな悪戯《いたずら》をしたことはないか。それは人びとの
喧噪《けんそう》のなかに囲まれているとき、両方の耳に指で栓《せん》をしてそれを開....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
は、そう言って豹一をドアの外へ連れ出した。 眼も痛むような明るい光線がジャズの
喧噪に赤く青く揺れている社交場が、眩しく展けていた。豹一はもう何ものも眼にはいら....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
博士はそういうと、パイプを口に咥《くわ》えて、この観測室を出ていった。 後には
喧噪《けんそう》が残った。思いがけないワーナー団長の冒険計画についての是々非々の....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
云い合わせたように、深刻極まる顔付をしていた。 中へ入ってみると、深刻さは更に
喧噪さと合体して、まるで火事場のような騒ぎだった。僕はすっかり毒気に当てられた形....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
足踏みをし乍ら両腕を頭の上に差しあげてうち振りました。絹を裂くような若い女の声に
喧噪の渦巻の中にあったような流石の広告屋の爺さんも驚いてあとをふりむくと喫茶店の....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
がってしまった。 酒盃のカチ合う音、酔いのまわった紳士の胴間声、それにジャズの
喧噪な楽の音が交りただもう頭の中がワンワンいうのであった。 この
喧噪の中に、室....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
間にか露店の数が増えて参詣人の人々も次第に多くなり、境内は朝の静寂から漸く昼間の
喧噪へと展開して行くようだった。 今まで一塊になって日向ぼっこをしていた子供や....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
は、もしくは外には、都会がある、群集がある、燈火、音曲、寄席、芝居がある、群集と
喧噪の圧迫から遁げて、天涯の一角に立ったときに、孤独と静粛の圧迫! 少し明る味....
「二少女」より 著者:国木田独歩
。いよいよ江藤さんは妾になったという噂が誰の口からともなく起って、朋輩の者皆んな
喧噪く騒ぎ立てた、遂に係の技手の耳に入った。そこで技手の平岡は田川お富に頼んで、....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
、黙って、隣りを指した。 タクシーの隣りには、馬車があった。老人の馭者が、この
喧噪の中に、こっくりこっくり居眠りをしていた。馬車とは愕いたが、 「アーガス博士....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
おいでんか、あほめ、見えへんがな、すわらんか、などわいわいわめいている。 その
喧噪の花道を走る芸妓の裾に禿頭は撫でられつつ、その足と足との間隙から見たる茶屋場....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
市。ここには中国人の濃い体臭と、すえた食物の臭いがぎっしりつまって細い道の両側は
喧噪としか思われなかった。私は何か欲しいものはないかと考えた。何もなかった。夕ぐ....
「風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
たあと、私一人だけジッと物思いに耽っている。音といえば柱時計の音だけである。あの
喧噪な校庭に人影も物音もなくなるというのが妙に静寂をきわだててくれ、変に空虚で、....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
すと、百鬼夜行、ジャングル満山百鬼のウゴメキにみちている。処置がない。 新宿は
喧噪にみち、時に血まみれ事件が起っても、万人が酔えば自らも覚えのある世界であり、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
性格上極力大隊長の号令下にある動作を要求したのである。 散兵戦の射撃はなかなか
喧噪なもので、その指揮すなわち前進や射撃の号令は中隊では先ず不可能と言って良い。....