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喧囂
「喧囂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喧囂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たので、廊下の壁燈が仄のりと一つ点いているだけ、広間も周囲の室も真暗である。その
喧囂たるどよめきの中で、法水は、暗中の彩塵を追いながら黙考に沈みはじめた。そこへ....
「家」より 著者:島崎藤村
心を誘うように見えた。昂ったとか、降ったとか言って、売ったり買ったりする取引場の
喧囂――浮沈する人々の変遷――狂人のような眼――激しく罵る声――そういう混雑の中....
「広場」より 著者:宮本百合子
じように世界の古い背骨といわれる大山脈やテレクの川風に吹かれたのだが、朝子が街の
喧囂《けんごう》の裡で群集の感情にふれ、自分の感情をも吟味し、こんな不如意をどう....
「南路」より 著者:宮本百合子
関と、生活は、すっかり潤いと興味とを奪われてしまったのである。 馴れない下町の
喧囂《けんごう》の裡に半日を費して、帰ると、T氏から電話で、船室はとうとう自分の....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
郷町へかけて黒山の如く、危険を虞れて必死的警戒中の警官と随所に衝突して騒ぎ立て、
喧囂雑沓を極めおり。目下尚、交通途絶中なり。一方流血に彩られたる帝国ホテルは弾痕....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の芸術家街といわれ、都心を遠くはなれた川沿散歩道のしずけさ。が、いま部屋のなかは
喧囂たる有様だ。「タイムス」「デリー・テレグラフ」をはじめ各国の特派員。なかには....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら、その寝室の方へと転げ込んで行く様子が、いよいよ手にとるようです。やがて一切の
喧囂《けんごう》が拭うたように消え去ってしまいました。 甲板の或る一点に、申し....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
をひくに至るのか。今述べたとおり、それはだれにもわからないことである。ところで、
喧囂《けんごう》の最中に、ボシュエはふいにコンブフェールに何か言いかけて、次の日....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
い》な堆積の上に印せられていた。しかもその怒濤は、下層の群集だったのである。その
喧囂《けんごう》の状の化石が見えるかと思われた。急激な進歩の暗い大きな蜂《はち》....
「闘牛」より 著者:野上豊一郎
突き刺したが、剣は半分きり刺さらなかった。二度目の十字剣でやっと仕込めた。 喧
喧囂囂のうちに場は閉じられた。まさに六時が振り上げられた所だった。 翌日の新聞....
「パリの地下牢」より 著者:野上豊一郎
ールの牢獄に分けて収容された。その連中がぶち込まれた時は、婦人たちとはちがって喧
喧囂囂の声が絶えなかったという。その部屋とマリ・アントワネットの部屋の間の小部屋....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
夜は美しい。更紗を洩れる灯、昼間は気付かなかった露台の影絵、パタンやブルマンの|
喧囂たる取引は、さながら、往時バグダッドの繁栄そのものである。 平太鼓が聴える....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
生に業を休ませ勉強の時間を与える。しかし父のいない時などには部屋に皆どもが集って
喧囂を極めている。中途からの話で前半がよく分からぬけれども何か吉原を材料にして話....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
|※振りを凌ぐものと云われた。 従ってこの淫蕩極まりない私通史には、是非の論が
喧囂と湧き起らずにはいなかった。第一、女ホレイショの模本があれこれと詮索されて、....
「外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
如く着飾った婦人連と、夜会服に身を固めた男子連が、雲の如くに参集した。 戸外の
喧囂たる状態とは反対に、戸内では順序よく晩餐が終って、やがて舞踏会が開かれた。管....