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喪家
「喪家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喪家の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
ちまち云われた。「そのくらいな事は少し学問をしたものなら誰でも云える」 宗助は
喪家《そうか》の犬のごとく室中を退いた。後に鈴《れい》を振る音が烈《はげ》しく響....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
のようにうろうろ、まごついている君はなおさらつらいだろう。累々《るいるい》として
喪家《そうか》の犬のごとし。いや宿のない犬ほど気の毒なものは実際ないよ」
「犬は....
「野分」より 著者:夏目漱石
送る。電車は出来るだけ人を載《の》せて東西に走る。織るがごとき街《ちまた》の中に
喪家《そうか》の犬のごとく歩む二人は、免職になりたての属官と、堕落した青書生と見....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ならもっともっと風采|雄偉であるべき筈だ」 「そう私は貧しげなのか?」 「お前は
喪家の犬のようだ。お前は路傍の乞食のようだ」 「そうだ、それは中っている」 「聖....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
中に、こわいもの知らずほど厄介なものはありません。 いま、抜刀を下目につけて、
喪家の痩せ犬のように、曲《きょく》もなく直立している左膳の姿を眼の前にして。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らです――これに食物の保証を与える者がないからです。つまり良家の飼犬でなくして、
喪家《そうか》の野良犬であったからです。二つの野良犬が餓えて食を求めに来ました。....
「四十八人目」より 著者:森田草平
そらく自分でも分らなかったに相違ない。とにかく、江戸の市中を、喰うものも喰わず、
喪家の狗のように、雪溶けの泥濘を蹴たててうろつき廻っていた。そして、その暮方に、....
「泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
恐れて、呼吸がつまるほどのやるせなさを催すのである。私が寒い街の路傍を歩く姿は、
喪家の犬のようであったかも知れない。 ところが、ある日相変わらず職を求めて歩き....
「孔子」より 著者:和辻哲郎
て詩・書・礼・楽を修めた。弟子はいよいよ多く、遠方より集まった。 (五)々として
喪家の狗の若し。」あとで子貢がそれを孔子に告げると、孔子は欣然として笑って言った....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
作身、木作首尾、一人裏於其中、開弔時、列於大門左右、及啓霊、獅豹先入於霊前舞踏、
喪家先備制銭一千或両千、置於霊几、舞踏畢、臥干旁、従腹中出小獅討喜銭、即攫几前銭....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
っぱしのようだ。いや原住民の灯と落葉は、中山道軽井沢の宿である。原住民のほかに、
喪家の犬もいる、わが家の灯一つを見て、近所の犬が、朝晩台所へクンクン飢えた鼻をな....