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「喫驚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

喫驚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「尼提」より 著者:芥川竜之介
てもの仕合せである。けれども尼提はこう思った時、また如来の向うから歩いて来るのに喫驚《びっくり》した。 三度目《みたびめ》に尼提の曲った路にも如来は悠々と歩い....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
ためられて、二列にならんでいました。どの色も美しかったが、とりわけて藍と洋紅とは喫驚《びっくり》するほど美しいものでした。ジムは僕より身長《せい》が高いくせに、....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
坊様《ぼうさま》。）といわれたから、時が時なり、心も心、後暗《うしろぐら》いので喫驚《びっくり》して見ると、閻王《えんおう》の使《つかい》ではない、これが親仁《....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
。 其朝なんか、よっぽど可笑《おか》しかった、兼公おれの顔を見て何と思ったか、喫驚《びっくり》した眼をきょろきょろさせ物も云わないで軒口ヘ飛んで出た、おれが兼....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
自慢にも何にもなりません、生得大の臆病で、引窓がぱたりといっても箒が仆れても怖な喫驚。 それに何と、いかに秋風が立って、温泉場が寂れたと申しましても、まあお聞....
「阿Ｑ正伝」より 著者:井上紅梅
どうしたわけか洋先生と、彼を喚ぶことが出来なかった。 話を聴いていた四人の者は喫驚して阿Ｑの方を見た。洋先生もようやく彼に目をとめた。 「何だ」 「わたし……....
「明日」より 著者:井上紅梅
背を照し、單四嫂子は眼を見張ったままぽかんと坐っていると、門を叩く音がしたので、喫驚して急いで門を開けた。門外には見知らぬ男が、何か重そうなものを背中に背負って....
「薬」より 著者:井上紅梅
っていると、身体が少しひやりとした。 「ふん、親爺」 「元気だね……」 老栓は喫驚して眼を※った時、すぐ鼻の先きを通って行く者があった。その中の一人は振向いて....
「故郷」より 著者:井上紅梅
まあ長くなりましたこと」 一種尖ったおかしな声が突然わめき出した。 わたしは喫驚して頭を上げると、頬骨の尖った唇の薄い、五十前後の女が一人、わたしの眼の前に....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
さんがいてね。君の事を話してやったら、「あの歌人はあなたのお友達なんですか」って喫驚していたよ。おれはそんなに俗人に見えるのかな。 Ａ 「歌人」は可かったね。 ....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
て横合いから奪い取り、自分も決して食わない。子供等はどっと笑い出した。小さいのは喫驚《びっくり》して跳ね上り、洞の中に潜り込んだ。親兎は洞門の口まで跟《つ》いて....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
さなのが一枚。車鰕が二匹、お負けで、二百五十文だてぇますから、三百置いて来たら、喫驚しておりましたよ」 「じゃア丸で只の様なもんだ」 嬶さんは口を出して。 「....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ても父の椿岳に違いないので、そんならお父さんですというと、家内太夫は初めて知って喫驚したそうだ。椿岳は万事がこういう風に人を喰っていた。 浅草以来の椿岳の傍若....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
さず拘引して留置｜檻へ投げ込んでしまった。徳永店員を初め在留日本人はこの報を得て喫驚し、重立つものが数人警察署へ出頭して嘆願し、二葉亭が徳永店員でない事を証明し....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
表へ出ようとする時、七兵衛｜父爺が寝惚眼を擦りながら裏口を遅々出て来た。出逢頭に喫驚して、 「や、小旦那……。朝飯も食わねえで何処へ……。駐在所かね。」 「いや....