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喰違
「喰違〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喰違の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「音楽界の迷信」より 著者:兼常清佐
リンドヴォルト版に従って四分音符一〇四の速さで弾くとすると、この小節の左右の指の
喰違いの時間は、ざっと〇・〇五秒である。槌の動きの遅いピアノでは、これはほとんど....
「ニッポン音楽」より 著者:兼常清佐
将来の発展、または幸福のためには、あらゆる努力をおしむまいとします。そこで意見に
喰違いが出来ます。メートル法の問題などはそのいい例です。老人の頭ではもちろんメー....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
ていたので、浄土山の頂上で落合うことに約束して置いたのだ、交啄鳥の嘴だってこうは
喰違わない筈だと思うと、どうしても笑って済す気にはなれなかった。 兎も角も荷の....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
滑かなうねりがあった。風は南からむらなくそよそよと吹いていたので、風と潮流とには
喰違いがなく、大浪はぐうっと高まってはまた砕けずに下って行った。 もしそうでな....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
義者を殺し、其の場を去らず切腹なし、殿様の難義をお救い申そうと思うた事は※の嘴と
喰違い、とんでもない間違をいたしました、主人の為に仇を討とうと思ったに、却って主....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
持よくそれを承諾して、日をきめて茶会を開くことにした。 その日になって、赤坂|
喰違の紀州家の邸では、数寄屋の床の飾りつけから道具万端ちゃんと用意が出来ているは....
「新時代の「童話」」より 著者:豊島与志雄
古と偶像破壊との矛盾がある。伝統の断層がある。廃墟と曠野とがある。再建と革新との
喰違いがある。其他、数えたてればきりがない。 こういう時に当って、明朗な眼と新....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
うじ》向側の坂もまたその麓を流るる下水と小橋とのために私の記憶する処である。赤坂
喰違《あかさかくいちがい》より麹町清水谷《こうじまちしみずだに》へ下《くだ》る急....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
所ノケンカヲ頼ンデ歩イタガ、ソノ時、頭《かしら》ガ大久保上野介ト云イシガ、赤阪|
喰違外《くいちがいそと》ダガ、毎日毎日行ツテ御番入リヲセメタ、ソレカラ、以前ヨリ....
「現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
き糺《ただ》されて見ると、今まで互に了解し得たとばかり考えていた言葉の意味が存外
喰違っていたりあるいはもってのほかに漠然《ばくぜん》と曖昧《あいまい》であったり....
「中味と形式」より 著者:夏目漱石
いるとすると、この二つの平面の関係は何で示すかというと、申すまでもなくその両面の
喰違った角度である。どっちが高いのでもないどっちが低いのでもない。三十度の角度を....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
陽の光が、毳《けば》立った坊主畳《ぼうずだたみ》の上へいっぱいにさす。 赤坂、
喰違《くいちがい》の松平佐渡守《まつだいらさどのかみ》の中間部屋。 この顎十郎....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
濠にそって紀伊国坂をくだったとして、そこから外桜田《そとさくらだ》へぬけるには、
喰違御門か赤坂御門。 溜池のほうへ行くには赤坂見附の木戸。 赤坂|表町《おも....
「四谷、赤坂」より 著者:宮島資夫
学校と変圧所がある、あのあたりは、昔は辻斬のあったという場所である。赤坂離宮横、
喰違い見附の向うの土手には、首縊《くびくく》りの松という松があった。実際よく死ん....
「山の人生」より 著者:柳田国男
い年月には何処へでも往ったろうが、それにしてもあまりに口が多く、また話が少しずつ
喰違っているのは、やはりたくさんの同名異人があったためではなかったか。ことに寛永....