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営庭
「営庭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
営庭の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
ない事を明弁し、やはり兵営内に在る別棟の獄舎に繋がれた。 健児社の連中は、広い
営庭の遥か向うの獄舎に武部先生が繋がれている事をどこからともなく聞き知った。多分....
「空襲警報」より 著者:海野十三
第三中隊あつまれ!」 中尉の号令を待ちかねていたかのように、部隊はサッと小暗い
営庭に整列した。点呼もすんだ。すべてよろしい。そこで直ちに部隊は隊伍をととのえて....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
で三十分ぐらい話し、私共買物、昼食に出て、三時―六時半頃までゆっくり話しました。
営庭の草の上に坐って、折々雨が通ると傘をひろげて話しました。写真やがなかなか繁昌....
「入営する青年たちは何をなすべきか」より 著者:黒島伝治
れるカーキ色の羅紗の服は固ッくるしい。若ものたちは、送ってきた親や、同志たちと、
営庭で別れる。そして、大きな茶碗で兵営の小豆飯を食わされる。 新しく這入った兵....
「戦死者の凱旋」より 著者:田中貢太郎
の前へ来たが、そこになると靴音は一段と高くドッ、ドッ、ドッと歩調を取るようにして
営庭へ入って往くのであるが、無論何も見えない。そして、連隊本部のちょっと手前にな....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
、それが、滑稽に見えるのだった。 一同が引き出されたところは、広々とした砲台の
営庭だった。正面に角面堡《ルタン》の高い壁がつづき、遠いその端に、糸杉の黒い列が....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
した物ごしで、点呼に出る支度をはじめた。 太鼓がタッ・タララッ・タッと鳴ると、
営庭へ囚人たちがなだれを打って出てくる。足に鎖のついた者、足に鎖のつかない者。セ....
「三国志」より 著者:吉川英治
、馬を躍らせて、言葉のとおり実演して見せた。ちょうどまた、その折、大風が吹いて、
営庭の大旗がたおれかかったので、何十人の兵がかたまって、旗竿をたおすまいとひしめ....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
でまどろんだ程度だった。 そのくせ彼はもう朝陽とともに起き出して、兵馬に満つる
営庭を逍遥していた。朝起きは多年の習性であった。どんなに遅く寝ても起きる時刻はそ....