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「嗅ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嗅ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
。今でもその時の事を考えますと、まるで磨ぎすました焼刃《やきば》の※《にお》いを嗅ぐような、身にしみてひやりとする、と同時にまた何となく頼もしい、妙な心もちが致....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
すんだ。俺はそんなヘマなことはやらないや」 ペンはますます呆れ顔だった。見る目嗅ぐ鼻を持ったミルキ閣下に一杯喰わせて得々としている男が、彼の親しい友人の中にい....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の前を通って、好い匂がしたと云っても、直ぐに隣の茶漬屋へ駈込みの、箸を持ちながら嗅ぐ事をしない以上は、速断して、伊勢屋だとは言憎い。 主税とても、ただ通りがか....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
、金貨が落ちている?」 「本当だ……」 刑事たちは、屍体から眼を放すと、地面を嗅ぐようにして、路面を匍いまわった。同じような、三つの金貨が拾いあげられた。一つ....
暗号の役割」より 著者:海野十三
て、三人の男がこの公園の中へ駆けこんで来た。そしてさっきの格闘のあとの地面の上を嗅ぐようにして、しきりに何かを探し始めた。 彼らは一時間ほど探してから、三人|....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
膳をまた傍へずらす。 「へへへ」とちょっと鼻をすすって、ふん、とけなりそうに香を嗅ぐ。 「待ちこがれたもんだから、戸外を犬が走っても、按摩さんに見えたのさ。こう....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
けと、酒の勢、雪なんざ苦にならねえが、赤い鼻尖を、頬被から突出して、へっぴり腰で嗅ぐ工合は、夜興引の爺が穴一のばら銭を探すようだ。余計な事でございますがね――性....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
て、目を恍惚と、何と、香を散らすまい、煙を乱すまいとするように、掌で蔽って余さず嗅ぐ。 これが薬なら、身体中、一筋ずつ黒髪の尖まで、血と一所に遍く膚を繞った、....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
た。 恐しい鼻呼吸じゃあないか、荷車に積んだ植木鉢の中に突込むようにして桔梗を嗅ぐのよ。 風流気はないが秋草が可哀そうで見ていられない。私は見返もしないで、....
星女郎」より 著者:泉鏡花
ては百年目、ひょいと立って退ったげな、うむと呼吸を詰めていて、しばらくして、密と嗅ぐと、芬と――貴辺。 ここが可訝い。 何とも得知れぬ佳い薫が、露出の胸に冷....
十年後のラジオ界」より 著者:海野十三
器である。」 「脅すぜAさん。じゃ矢張りお閻魔さまの前に並んでいる『見る眼』や『嗅ぐ鼻』も、ラジオ的に理屈のあるものなのかい。」 「勿論さBさん。『嗅ぐ鼻』は無....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いっていた。ときおり、まだ乳ばなれしない小豚の群が飛びだしてきたが、大気の匂いを嗅ぐためのように見えた。雪のように白い鵞鳥は堂々たる艦隊をなして、近くの池で遊弋....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
。――困るわね。」 「真に迫りましたよ。」 と私も言った。 「だって、兄さんが嗅ぐんだもの。」 「天人からはじまって、地獄、餓鬼、畜生だ。――浅間しさも浅間し....
迷信解」より 著者:井上円了
は吉、何の日は凶と定めてある。これに対してある書に、「平安散といえる薬は、これを嗅ぐごとにたちどころにクサメ続きて出ずるゆえに、クサメの出ずる日に吉凶あらば、常....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
は余を見ても尾を振りもせず跟をも追はず、その傍を打通れば鼻つらをさしのべて臭ひを嗅ぐのみにて余所を向く、この頃は※にだも不自由をして懐いた犬に背かれたのを心淋し....