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「嗜眠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嗜眠の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
きに駄目になる。電車はコムし書物はよごれるしで、オツユの出る弁当箱は持てないし、嗜眠《しみん》性脳炎がまた流行《はや》っているので、一寸風邪を引いても医者に見せ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に混ぜて直腸注射をすると、爽快な朦朧睡眠を起すのだ。また、次の沃度フォルムには、嗜眠性の中毒を起す場合がある。それから、抱水クロラールになると、他の薬物ではとう....
睡魔」より 著者:蘭郁二郎
眉を寄せた喜村は 「……どういうことをしてんだい」 「今のとこ、さっき君のいった嗜眠性脳炎の問題をがんがんせめられてんだがね」 「ははあ、そういう研究所かい、あ....
長崎の印象」より 著者:宮本百合子
る美味いという感覚は私共を頻りに陽気にさせようとする。けれども、周囲の雰囲気は、嗜眠病のように人を滅入らせる。―― 互に居心地わるく思っていると、もう食事の終....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
ぼん港の満足せるリンピイだったろうし、ことによると僕も、今なお支那公ロン・ウウの嗜眠病的仮人格のままでいたかも知れない。 思えば、十字路的な現出であった―― ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
不思議な感動に打たれてきた。じっと瞳をこらして鏡のなかを見つめていると、さながら嗜眠病がわたしの視力を狂わせてしまったようにも思われてきた。まぼろしの女はとうと....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
草ですが、余り頭が苦しくて昏々《こんこん》と眠るからね、もしかしたらこの頃流行の嗜眠性脳炎ではないかと思って、もしそういう疑いがあれば正気なうちにあなたに手紙を....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
いわけである』とこんな風に考えて、自説を主張するのであった。 「衰弱が加わって、嗜眠《しみん》状態に陥っておいでなさる」とパイーシイ神父はアリョーシャを祝福した....
生あらば」より 著者:豊島与志雄
咳に襲われたりした。咳が少しいいと思うとまた高い熱に悩まされた。また不眠の状態と嗜眠の状態とが交々彼女の単調な病床にやって来た。そしてそれらの変化の背後には、絶....
生と死との記録」より 著者:豊島与志雄
っていた芳子も急に騒ぎ出した。 十二時頃になると堯はひどくぼんやりして来た。「嗜眠の状態ではないかしら。」と私は思った。 大急ぎで食事を済したS子さんに至急車....
蘇生」より 著者:豊島与志雄
ていた。然し何も彼女の片付けるようなものはなかった。 食物を取ると、敬助は急に嗜眠《しみん》を覚えた。そしていつのまにか力無い眠りに陥っていった。 眠りの中....
幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
々膨脹してきた。九度五分前後の熱が続き、脈が百十近くにのぼった。腹痛の合間には、嗜眠に近い状態でうとうとしていた。坪井医学士は、診察を済すとただ黙って帰って行っ....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
われる。私はどんなに快い眠りのさなかでもふと目ざめて久須美を見ると、モーローたる嗜眠状態のなかでニッコリ笑い両腕をのばして彼を待ち彼の首ににじりよる。 私は病....
」より 著者:岡本かの子
子の笑い声をうるさがった。京子は不眠症にかかり十日も夜昼眠れない。すると、あとは嗜眠症患者のように眠り続ける。京子は昨夜あたりから、またそうなりかかって居る。眠....