嗤笑[語句情報] »
嗤笑
「嗤笑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嗤笑の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
んこく》の同情無き能わず候。……今後もし夫人を離婚せられずんば、……貴下は万人の
嗤笑《ししょう》する所となるも……微衷不悪《びちゅうあしからず》御推察……敬白。....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
たる小都市の特権である。東京市民が現に腐心しつつあるものは、しばしば外国の旅客に
嗤笑《ししょう》せらるる小人《ピグミイ》の銅像を建設することでもない。ペンキと電....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
送った。が、市九郎の心は、そのために須臾《しゅゆ》も撓《たゆ》むことはなかった。
嗤笑《ししょう》の声を聞けば、彼はさらに槌を持つ手に力を籠めた。 やがて、市九....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
日本人ほど旧物を破壊する民なしとは、建国わずか百三十余年の米国人の口よりすら毎々
嗤笑の態度をもって言わるるを聞くなり。されば誰の物と分からずとも、古えの制度風俗....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
自己の所信を述べ、故にかかる契約を無視すれば、正義を如何にせん、天下後世の識者の
嗤笑《ししょう》を如何にせん。もしクリトーンの勧言に従って脱獄するようなことがあ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
回生の――
誰かがにたりとわらったような気がした。そして阿賀妻にとっては、その
嗤笑《ししょう》は堀大主典であらねばならなかった。なぜお笑いなされた! と彼はま....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
るだけだった。 だが彼は、密かに姿を変え、しばしば巷を徘徊していたので、むかし
嗤笑を買った身が、今はあの兇行の連続にもかかわらず、憎悪はむしろ帯刀一家に移って....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
受けて獄中にあるや、同志よりは背徳者として擯斥《ひんせき》せられ、牢獄の役員にも
嗤笑《ししょう》せられて、やがて公判開廷の時ある壮士のために傷つけられぬ。因果応....
「取舵」より 著者:泉鏡花
うという、この日が老船頭、一世一代の漕納だというんだ。面白かろう。」 渠の友は
嗤笑いぬ。 「赤飯を貰ッたと思ってひどく面白がるぜ。」 「こりゃ怪しからん! 僕....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
詩人、俳人、歌よみ、活け花師などは早速この間違った旧説から蝉脱して正に就き識者の
嗤笑《ししょう》を返上せねばなるまい。 昔からまたカキツバタと誤っている杜若の....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
発行所がこの丸ビルの一室に陣取るという事は、あまり突飛なこととして、初めは人人の
嗤笑を受けた。併し今は、私の和服がこの建物と不調和と感じない如く少しも不調和では....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
文字を知らなくとも、おのずから候可く候の調子を思出したものらしい。わたくしは人の
嗤笑《ししょう》を顧ず、これをここに録したい。 一|筆《ふで》申上まいらせ候。....