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嘆声
「嘆声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嘆声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
、三度《さんど》将軍の声が響いた。が、今度は叱声《しっせい》の代りに、深い感激の
嘆声だった。
「偉い奴じゃ。それでこそ日本男児《にっぽんだんじ》じゃ。」
穂積....
「海底大陸」より 著者:海野十三
き海底超人族よ。そして地上の人類は、なんというのんきな生物だろう) そういった
嘆声が、今もいくたびとなく博士の胸のうちにくりかえされているのを、おそらくドン助....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
、不要になった綱を海中へ投げ込む……」 「なるほど、素晴しい」 わたしは思わず
嘆声を上げた。「それならどんな力のない男でも、少し動きさえすれば楽にやれますね。....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ぱちつかせて、女教師の動作の全部を見届けた貝原は 「型が綺麗だなあ」 と思わず
嘆声を挙げてやや晦冥になりかけて来た水上三尺の辺を喰い付きそうな表情で見つめた。....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
この女は肉体上の女性の魅力を剰すところなく備えてしまった」 ああ、と復一は幽な
嘆声をもらした。彼は真佐子よりずっと背が高かった。彼は真佐子を執拗に観察する自分....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
了されて仕舞った。従妹も伸び上って私の手許の画面に見入った。そして、「まあ。」と
嘆声をもらした。「ははあ、讃嘆して居られますな。」と麻川氏はめったに談しかけない....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
命中? しかし、ホノルル号は顛覆もしないでちゃんと浮いているぞ」 と、大統領の
嘆声。そのとき金博士が傍へ近づいて、ホノルル号からすこし放れた海面において新たに....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
その五色の山脈はすこしずつ動いている。 「ああ、きれいだなあ」 山ノ井は思わず
嘆声をはなった。 「千ちゃん。きれいだなどと、見とれていていいのかい。あれは何だ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
と、傍で茶をのみながら、二人の話に耳を傾けていた竜造寺兵曹長が、感きわまって、
嘆声をあげた。 「分隊士、そうなると、われわれ飛行科の者は、平常から宇宙戦争の尖....
「火薬船」より 著者:海野十三
見は、にやッとわらって、いそぎ足で、昇降段をのぼった。 下から、ほッほッという
嘆声が聞えた。竹見がましらのように身軽にのぼっていったのを、水夫どもが感心してい....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
「うーむ、これは困った。銃一挺では、どうすることもできない」 と、古谷局長は
嘆声を発した。 「でも局長。あと弾丸は五発ありますから、弾丸のあるだけ撃ってみま....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
いつは困った」 攻撃の姿勢をとって、空中高く舞い上った×の飛行機も、同じような
嘆声をあげました。折角爆弾をおとしてやろうと思ったことも今は無意味です。敵軍の指....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
ふれずにひそかに鼻の洞へ伝って行った。「我が世も終れり。」というような感慨じみた
嘆声がわずかに吐息と一緒に唇を割って出ると今度は眼の裏のまぼろしに綺麗な水に濡れ....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
ダリヤかと見えるようなはっきりした花弁をはねて鮮やかに咲き停て居る。景子は思わず
嘆声を洩した。 ――日本の菊!」 ――日本の菊じゃありませんよ。いくら花の形や色....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
です――人格完成に向うのでありましょう。これが「もう身を固めねばならない」という
嘆声になります。また身内や友達も自己の体験に響いてそうさせるべきだという自然力を....