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嘆息
「嘆息〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嘆息の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
うにしんと静まり返って、たまに聞えるものと云っては、ただ罪人がつく微《かすか》な
嘆息《たんそく》ばかりでございます。これはここへ落ちて来るほどの人間は、もうさま....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
所詮《しょせん》持たぬものは持ったものの意志に服従するばかりである。犬もとうとう
嘆息《たんそく》しながら、黍団子を半分貰う代りに、桃太郎の伴《とも》をすることに....
「或る女」より 著者:有島武郎
とためらったような様子になって、急いで内田の書斎にはいって行った。しばらくすると
嘆息しながら物をいうような内田の声が途切れ途切れに聞こえた。「上げるのは勝手だが....
「星座」より 著者:有島武郎
とく冷えて、不吉の予覚に震えるおぬいの頬を驚かした。
おぬいの口からはまた長い
嘆息が漏れた。
身動きするのも憚《はばか》られるような気持で、眼を大きく開いて....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
からは水が随分盛んに落ちている。ここで雨さえやむなら、心配は無いがなアと、思わず
嘆息せざるを得なかった。 水の溜ってる面積は五、六町内に跨がってるほど広いのに....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
女、女房が孕んでいたと云うじゃありませんか。」 「まあ、」 と、夫人は我知らず
嘆息した。 「忌々しい、とそこで大弓の株を売って、今度は安東村の空地を安く借りて....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
てさせなければならなくなった。 「またはあ銭こ海さ捨てるだ」 と君の父上は心から
嘆息してつぶやきながら君に命じて配縄を切ってしまった。 海の上はただ狂い暴れる....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
擁していても話にはずみがない。 「困ったあまっ子ができてしまった」 天井を見て
嘆息するのは父だ。 「おとよはおとッつさんの気に入りっ子だから、おとッつさんの言....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
たことを深く悔い泣いた。 多いが上にまた子どもができるといっては、吐息を突いて
嘆息したものが、今は子どもに死なれて、生命もそこなうばかりに泣いた。 矛盾撞着....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
められたり、嬉しがられたりしたのは、私は昨日、一昨日までだ、と思っているんだ。(
嘆息す。) お蔦 何だねえ、気の弱い。掏賊の手伝いをしたッて、新聞に出されて、…....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
た丘の上に、踏はずしそうに崖の尖、五尺の地蔵の像で立ったけれども。 頭を垂れて
嘆息した。 さればこの時の風采は、悪魔の手に捕えられた、一体の善女を救うべく、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
下りるべき路を求めたが、衝と端に臨んで、俯向いて見る見る失望の色を顕した。思わず
嘆息をして口惜しそうに、 「どこまで祟るんだな、獣め。」 五十八 ....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
たってどうかその奥さんになりたいと思っていたのですから、涙をはらはらと流しながら
嘆息をして、なんのことばの出しようもありません。しまいには二人手を取りあって泣い....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
の事がまた出ました。 免れられない……因縁です。」 小山夏吉は、半ば独言いて
嘆息して、苦そうに猪口を乾した手がふるえた。 小山夏吉は寂く微笑んだ。 「はは....
「西航日録」より 著者:井上円了
文部大臣となり、一方は一小都邑の中学校長となる。人生は実に奇なるものなりと、やや
嘆息の状あり。 余が過日、英国北部バルレー村にあるや、先便に報ぜしがごとく、言....