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嘆美
「嘆美〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嘆美の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
て行ったとき、お島は男に別れる自分の寂しさを蹴散《けちら》すように、そう云って、
嘆美の声を放った。
「どうだね、一緒に行かないか」
浜屋は瀬戸物のような美しい....
「或る女」より 著者:有島武郎
才能の持ち主として、女たちからは羨望《せんぼう》の的《まと》となり、男たちからは
嘆美の祭壇とされたあの青春の女性はやはりこの自分なのだろうか。誤解の中にも攻撃の....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
を生じるようなことはないであろう。それで我々はカント並びにデュ・プレルの開闢論を
嘆美はするが、その物理学的根拠を承認するわけにゆかない。彼らの体系は彼らが考えた....
「相対性原理側面観」より 著者:寺田寅彦
れた事を人間に責めるに等しい。 人間を理解し人間を向上させるためには、盲目的に
嘆美してはならないし、没分暁に非難してもならないと同様に、一つの学説を理解するた....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
からである。われわれはここではただエピキュリアンのこれらの驚くべき偉大なる臆断を
嘆美すればよい。 ルクレチウスは、かようにして、彼のいわゆる元子の何物であるか....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
ればその時に始めて日本人は完全なヤンキー王国の住民となるであろう。俳諧の理解ある
嘆美者クーシュー(Paul-Louis Couchoud)はアメリカ文化と日本文....
「メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
たりの有様を見わたしました。 自分のまわりを眺めたときのあの、畏懼と、恐怖と、
嘆美との感じを、私は決して忘れることはありますまい。船は円周の広々とした、深さも....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
よ、世に最も尊くして美しく不可思議なるものはザインである。氏が自然に対する純なる
嘆美と敬虔の情は氏の倫理学をして著しく芸術と宗教とに接近せしめている。 氏は善....
「連環記」より 著者:幸田露伴
五年前に失ったばかりの時代の人であったのである。そこで宋主(真宗)は日本の国体に
嘆美|措く能わず、又寂照の風神才能に傾倒の情を発して、大にこれを悦び、紫衣束帛を....
「蛇怨」より 著者:田中貢太郎
驚いたよ」と、云ったのは彼の親類の男であった。 篠原の主人はにこにこして自己を
嘆美する皆の話に耳をやっていた。 「やっぱりあんな魔物を打つには、此処な親爺じゃ....
「青草」より 著者:十一谷義三郎
夢を見た。 中学校へ通うようになると兄はいっそう無口になった。兄の穿く靴を弟は
嘆美に似た心持ちで眺めた。それから、兄がリーダの復習をしているのを傍で聞いている....
「墓」より 著者:秋田滋
彼女を見ますと、一種異様な感をおぼえたのであります。それは、愕きでもありません、
嘆美でもありません。さればと云って、よく世間で云っております、あの、雷にどかーん....
「日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
に是を怪しみ疑いけるが、いま面り使人を見てその偽ならざるを知りたり」と唐の官人を
嘆美させたのもその一例であり、阿倍仲麿が聡明英雋、到所可ならざるなき才気を発揮し....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
すばかりに止まらないで、更にまた幽壑には飛橋を渡し、絶崖には長梯を架して、驚異し
嘆美し、そして自己を満足させようとする山岳宗徒に、惜しいことではあるが日本南アル....