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嘆願
「嘆願〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嘆願の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ち設けたようにうなずいて見せた)どうじゃろう葉子さん」
葉子は乞食《こじき》の
嘆願を聞く女王のような心持ちで、○○局長といわれるこの男のいう事を聞いていたが、....
「或る女」より 著者:有島武郎
さいましね」
葉子は自分が持っていると思うほどの媚《こ》びをある限り目に集めて
嘆願するようにこういった。
「お前には頼まんまでよ……愛ちゃん」
倉地は大きな....
「家霊」より 著者:岡本かの子
の小魚のいのちをぽちりぽちりわしの骨の髄に噛み込んで生き伸びたい――」 徳永が
嘆願する様子は、アラブ族が落日に対して拝するように心もち顔を天井に向け、狛犬《こ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
いうは『蛍の光』をオルガンで弾く事を知ってる人であった。音楽会を開いて招待しても
嘆願しても聞きに来る人は一人も無かった。 二十五年前には日本の島田や丸髷の目方....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
追放を延ばして貰おうというのだ。 杉村君はそのことをすこぶる鄭重な言葉で主事に
嘆願するように言った。が、主事はいったん出た命令はどうしても取消すことができない....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
中に交渉したが、洗ってありますとやられてひっこみ、それではこの変な蒲団だけでもと
嘆願したら、どうでもいい掛蒲団だけかえてくれたのでまた降参した。やむを得ず手拭い....
「海底都市」より 著者:海野十三
オンドリは別人のようにおとなしくなって、大恐縮《だいきょうしゅく》のていで、僕に
嘆願《たんがん》し、且《か》つわびた。僕は、あとは責任をもって引受けるといってや....
「金属人間」より 著者:海野十三
んがならないというふうに、鼻をならした。博士がおどろいて、警部の方をふりかえり、
嘆願《たんがん》するようにおがんだ。それから「骸骨の四」の戸のまえへ進んで、それ....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
うとした。ドュフランはそれをまあまあと押えて唄うたいの窮状をくわしく述べ、終りに
嘆願の筋を申出た。警視長官は市会議員に対する儀礼としてちょっと熟考の形を取ったが....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
合うか合わぬか、二人に取っては大事の処故、船は此方へ願いまする」と竜次郎は声高に
嘆願した。 「駄目だっ、畜生」 片手ながら力一杯。悪僧がぐっと引いた。二人も一....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
奥野俊良。家老職池田|出羽に面会して、内密に落胤の事を談じ、表面は浪人御召抱えの
嘆願という手筈を定めていたが、生憎その池田出羽が、天城屋敷に潮湯治の為出向いてい....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
めにかぶって、判決をくだした。そのときの彼の態度や声の調子では、だれも反対したり
嘆願したりすることはできなかった。喧嘩や騒ぎといえばいつでもこいというふうだった....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
人であるから、会話の成績が悪いとあるいは落第するかも知れぬと実事虚事打混ぜて哀訴
嘆願に及ぶと、案じるよりも産むが易く、ヘボンの字書なら買ってもいいということにな....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
は前途を危ぶんで余り進まなかった。加之ならず語学校の僚友及び学生は留任を希望して
嘆願した。が、二葉亭は宝の山へ入る如き希望を抱いて、三十五年の五月末に断然語学校....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
で、――どうぞ、お願いです、助けてやって――」 と、婦人は縋りつかないばかりに
嘆願するのだった。 「と、いって、僕がどうしようもないじゃありませんか。犯行がこ....