嘔吐[語句情報] »
嘔吐
「嘔吐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嘔吐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
の夜です。僕はその闇《やみ》の中を僕の住居《すまい》へ帰りながら、のべつ幕なしに
嘔吐《へど》を吐きました。夜目にも白《しら》じらと流れる
嘔吐を。
九
しか....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
であった。
この山々と森林とを眺めていると、彼は急に洞穴《ほらあな》の空気が、
嘔吐《おうと》を催すほど不快になった。今は炉《ろ》の火も、瓶《ほたり》の酒も、乃....
「或る女」より 著者:有島武郎
ような呵責《かしゃく》があるばかりだった。すべてが終わってから葉子に残るものは、
嘔吐《おうと》を催すような肉体の苦痛と、しいて自分を忘我に誘おうともがきながら、....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
かし進んでゆくほどに、その急ピッチの音楽浴が二人の脳髄を次第々々に蒸していった。
嘔吐を催すような不快感がだんだんと高まってきた。ついに二人は、転げこむようにアリ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ちを睨《にら》んでいる。その奇妙醜怪な顔――エミリーはそれを覗いた瞬間、はげしい
嘔吐を催した。水戸が愕いて、身体の向きを横にかえると、彼女を抱えてやった。 エ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
、香もならぬ、ふっふっ。ええ、胸悪やの、先刻にから。……早く退けしゃらぬと、私も
嘔吐そう、
嘔吐そう、殿。) 茶うけに出ていた甘露梅の事だ。何か、女児も十二三で....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
。 「この子は面白いのよ。さっきチューインガムを買ってやったら臭いを嗅いだだけで
嘔吐すのよ。おかしな子ネ。ホラ見ていてごらんなさいよ、面白いのよ」 そういって....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
いち引裂いて火の中に投じても、焼き尽せるものではなかった。彼は自己嫌悪の全身的な
嘔吐と、極度の恐怖とを感ずると、 「ギャッ」 と一声、獣のような悲鳴をあげて、....
「蠅」より 著者:海野十三
の文章は、途中で切れてしまったが、まったく申訳がない。実は急に胸元が悪くなって、
嘔吐を催したのだ。そして軽い脳貧血にさえ襲われた。私は皆の薦めで室を後にし、別室....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ただぼくは夕食中、きゅうに気持がわるくなって、自室にひきとったんだ。そして急激な
嘔吐に下痢だ。半死半生のていでベッドにもぐりこんでいたが、それから後、元気をとり....
「海底都市」より 著者:海野十三
て、たがいにひしめきあっているのだと分った。 その醜怪なる魚人のかたち! 僕は
嘔吐《おうと》しそうになって、やっとそれをこらえた。 ひしめきあう魚人たちは、....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
な形だった。永く見詰めていると顔が赭くなるような、そしてふと急に胸がわるくなって
嘔吐を催し始めるような、実に妙な感じのする建物だった。……二人の足は竦み、そして....
「空襲警報」より 著者:海野十三
にもいろいろある。 それをまかれると、やたらにクシャミがでて、しまいには頭痛|
嘔吐になやむジフェニール、クロールアルシンなど、また涙がポロポロ出てきて、眼があ....
「不周山」より 著者:井上紅梅
に在ます神よ、助けたまえ……」顔の下半部に白いもののはえている一つが、頭を上げ、
嘔吐を催しつつ、途切れ途切れにいうのであった。「助けたまえ……身どもは仙術を学ぶ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
は必ずその家独特の匂いがあるものだ)そうしたことが、毎晩、習慣というものに対して
嘔吐を催させると同時に、こうして生きてゆくことに対して劇しい憂欝を感じさせたので....