嘱目[語句情報] »
嘱目
「嘱目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嘱目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「微笑」より 著者:横光利一
いう幾何学的な無季の句をすぐ作った。そして葉山の山の斜面に鳥の迫っていった四月の
嘱目だと説明した。高田の鋭く光る眼差が、この日も弟子を前へ押し出す謙抑な態度で、....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
る小原である。投手の柳は新米だがその変化に富める球と頭脳の明敏ははやくも専門家に
嘱目されている、そのうえに手塚のショートも実際うまいものであった、かれはスタート....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
はない。たまたま自分の祖先代々の家にあった資料を使うことが出来たとか、また資料に
嘱目する機会を社会身分上沢山有っているとかいうことが、他人が真似の出来ない歴史家....
「生あらば」より 著者:豊島与志雄
な熱ばかり吹いていた彼は、いつの間にかしっかりした新進批評家として前途を文壇から
嘱目されるようになっていた。彼の顔には何時も熱のある表情があった。そして何時も何....
「死因の疑問」より 著者:豊島与志雄
立ちなすったことはありませんが、お年のわりには才能手腕とも優れていらして、将来を
嘱目されているとか聞いております。でもわたくしとしましては、あの我武者羅な押しの....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
のである事も確かである。それで自分は特別な興味と期待と同情とをもって同君の将来に
嘱目している。そして何時までも安心したりおさまったりする事なしに、何時までも迷っ....
「入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
めてお話しするのは変なものなんですが、私は学生時代、大学の教授達から前途を大いに
嘱目されていたのでした。だものですから、私は卒業してからも、キング・コレッジ病院....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
ああいう窮屈な世界にいて、半年も前から江戸の土産を待ちこがれている。几帳の陰から
嘱目《しょくもく》しているのは、わしではなくて、わしの前にある土産のことだったの....
「読書遍歴」より 著者:三木清
れて後にも、先生の愛弟子であった本多謙三君と親しくしていたが、その本多君も前途を
嘱目されつつ先年亡くなってしまったのは惜しいことである。ところがまた私は、やはり....
「三国志」より 著者:吉川英治
かで、よく人に愛賢を持っていたので、ここでも、 「彼は、大江の※魚だ」と、人々に
嘱目されていた。 その孫策は、ことし二十一。――暇あれば、武技を練り、山野に狩....
「三国志」より 著者:吉川英治
さかのぼって益州(四川省)にまでちらかった。 継母をつれた諸葛瑾が、呉の将来に
嘱目して、江を南へ下ったのは、さすがに知識ある青年の選んだ方向といっていい。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
が彼の才幹は呉侯も日頃から愛していたところだし、呂蒙はなおさら深く観てその将来に
嘱目していた。 ふたりは同船して、ふたたび呉の建業へ帰り、呉侯孫権にまみえて、....
「三国志」より 著者:吉川英治
いことをいわるるか。東西|両川の人士はみな孔明なくんば魏延こそ蜀の将来を担う者と
嘱目していたのではありませんか。またあなたもその自負信念があればこそ桟道を焼いた....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
「中国にも人物は尠なくないが、わけて姫路の目薬屋の息子どのは、有為な者、将来ある
嘱目に値する男と、これは近衛家の人々からばかりでなく、摂津の荒木村重などから聞き....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
活以外のものであるはずはなかった 私が今現像しようとしている幾多の映画は眼前|
嘱目の大驚異に、加うるに監守の某氏の談話と樺太庁内務部の発行にかかる印刷物「海豹....