» 嘲う

「嘲う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嘲うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
郷愁」より 著者:佐左木俊郎
得よう? 故郷を持っている人々、そして都会の無産者の生活を知っている人々は、誰も嘲うことは出来ないはずだ。 私はその後も、折々停車場へ出掛けて行った。その帰り....
困惑の弁」より 著者:太宰治
れて在る作品だって、みんな卑俗だ。私だって、もとより卑俗の作家である。他の卑俗を嘲うことは私には許されていない。人おのおの懸命の生きかたが在る。それは尊重されな....
善蔵を思う」より 著者:太宰治
うして悲しく微笑むのである。そのとき諸君は夕焼を、不健康、頽廃、などの暴言で罵り嘲うことが、できるであろうか。できるとも、と言下に答えて腕まくり、一歩まえに進み....
デカダン抗議」より 著者:太宰治
私を、いつくしみたい気持さえあるのだ。私は、たしかにかの理想主義者にちがいない。嘲うことのできる者は、嘲うがよい。....
もの思う葦」より 著者:太宰治
と、いかにも気楽そうに馬上で低吟する小唄の謂いであって、ばかばかしい負け惜しみを嘲う言葉のようであるが、文学なんかも、そんなものじゃないのか。早いところ、身のま....
黒田如水」より 著者:吉川英治
つかむには、それ以前にまずこれらの怨恨や憤怒はおよそ心の雑草に過ぎないものと自ら嘲うくらいな気もちで抜き捨てなければ、到底、達し得ない境地なのであった。 ――....
三国志」より 著者:吉川英治
と蔭口をきくであろうと、わが身に誹りを受けるより辛く思われます」 「世間がおれを嘲うと!」 「董太師も、世の物笑いとなりましょうが、より以上、天下の人から笑い辱....
三国志」より 著者:吉川英治
なお、笑っていう。 「孔明、周瑜、共に大将の才はあるが、まだ智謀の足らぬのを予は嘲うのだ。もし曹操が敵ならば、ここに一手の勢を伏せ――逸ヲ以テ労ヲ待ツ――の計を....
三国志」より 著者:吉川英治
寧のほうでも、 (この青二才が) といわぬばかりな眼光を与えて、 「凌統。何を嘲うか」 と、色を変えた。――いや、凌統が無意識に手をかけた剣の柄を、咎めるよ....
三国志」より 著者:吉川英治
をながめておいでになっては如何ですか」 曹休は皮肉な皺を小鼻の片一方によせて、嘲う如く、揶揄する如く、こういった。 「ふム。……その間に足下が東関へ出て功を挙....
私本太平記」より 著者:吉川英治
殿の前に詫びを入れに行ったわ、と人々にいわれては」 「なんの。なんのいのう。……嘲う者には嘲われておりましょう。あなたの、おいのち一つにも代えられまい。いいえ、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
て、その体勢をまだ持ち直さぬ間に、 「しゃッ、洒落たまねを」 と、八荒坊のあざ嘲う声がどこかで耳を打った。 「なにをッ」 菊王は身を翻すのに迅かった。しかし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
。申楽師の雨露次という者。なんの咎で、曳こうとなさるか」 「うそをつけ」 あざ嘲う声がする。それが、捕手頭か。 「おい、雨露次とやら。きさまあ侍だな。いまの手....
茶漬三略」より 著者:吉川英治
ってしまったのである。 ――それは後の事だが、その時、蜘蛛六が、法螺をふくなと嘲うと、猿はぬっくと立って、 「法螺だもンか。お前らだって同じことだ。人間はみん....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
立って、婆のつめ寄る足もとを、児戯のように見ている武蔵の肩や胸は、さながらそれを嘲う鉄の龍車といっていい。 おかしさを感じてくるところであるが、しかし武蔵は、....