噂をすれば影[語句情報] » 噂をすれば影

「噂をすれば影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

噂をすれば影の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
酒中日記」より 著者:国木田独歩
れ流れて思いもかけぬこの島でこんな暮《くらし》を為るとは夢にも思わなかったこと。噂をすれば影とやらで、ひょっくり自分が現われたなら、升屋の老人|喫驚《びっく》り....
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
金「夫じゃア無理無体にか、併《しか》しあの浪人は堅いから寄越すか知らん、おゝ噂をすれば影だ、ピー/\風でさむさ橋に出て居ても、見て貰い人《て》もないかしても....
名君忠之」より 著者:夢野久作
なく小さな人影が映した。脇差を提げた与一の前髪姿であった。 「まあ。与一ちゃま。噂をすれば影……」 と七代が頬をパッと染て起き上りながら、障子を引き明けた。そ....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ら見ると此方等は寝たがってばかりいて扨て仕様がないの」 甲「本当にどうも……おゝ噂をすれば影とやらで、おいでなすった」 と仲間共は大藏を見まして、 「えゝどう....
丹下左膳」より 著者:林不忘
その杉の木の幹によりかかって、ニヤニヤ笑ってこっちを見ている、隻眼隻腕の立ち姿。噂をすれば影!――出たんです、案の定。 それからのち、またたくうちに、その宇津....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
のうちに気が付いて見るとそれが擬いもない友太郎だったのにはギョッとさせられたよ。噂をすれば影どころじゃない。テッキリ幽霊……と思ったらしい。三人が三人とも坐り直....
丹下左膳」より 著者:林不忘
川左近将監様より御使者が見えまして――」 「来た、来た」 主水正は笑って、 「噂をすれば影じゃ。お広書院にお通し申しておけ。二つの組かな? それとも三つ半は出....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
議な品で、私が銀座の店に居りました時、手掛けた事のある品物でございますぜ」 と噂をすれば影とやら、表の方から亥太郎がやってまいりました。 二十一 亥太郎....
魔都」より 著者:久生十蘭
んだが、その落着き方はなにしろ大したものなんだ。すると王様は俺を肘で突ついて、「噂をすれば影だ。今入って来た人がどうもそうらしい。俺のところに密告して来た人相と....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ねえじゃおかねえから」 と言ってるところへ、牢格子のむこうへ二三人の足音。 「噂をすれば影。ひとつ殊勝《しゅしょう》らしく持ちかけて、こっちの思いなりにさせて....
小説 円朝」より 著者:正岡容
やってきたよ」 「な、何をいいやがるんだ噂をすれば噂だってやがら、ヤイ覚えとけ、噂をすれば影てんだよ」 元気のいい声で笑って文楽、 「どうせ俺の悪口でもいって....
私本太平記」より 著者:吉川英治
それはあの仁の、欲が手伝っているはなしだし」 「あなた」 卯木が注意した。――噂をすれば影――その禿鳶が、大股に、ここの窓へ向って、空地を斜めに来るのが見える....