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噴出す
「噴出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
噴出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
救われるのは、堀木が聞き手の思惑などをてんで無視して、その所謂|情熱《パトス》の
噴出するがままに、(或いは、情熱とは、相手の立場を無視する事かも知れませんが)四....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
糸が押されてピインと張るので、蝶形を引いて瓦斯の栓を開きます。そして、真空の中に
噴出する悽じい力が、口元の短剣を発射させたのでした。然し、計量器のねじが閉ってい....
「家」より 著者:島崎藤村
て行った煙は、一団ずつ桑畠の間を這って、風の為に消えた。停車場の方で、白い蒸気を
噴出す機関車、馳けて歩く駅夫、乗ったり降りたりする旅客の光景などは、その踏切のと....
「相撲」より 著者:寺田寅彦
いて舌を上あごにくっつけておいて舌の下面の両側から唾液を小さな二条の噴水のごとく
噴出するという芸当であった。口から外へ十センチメートルほどもこの噴水を飛ばせるの....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
わせる。 金米糖といくぶん似たものは、「噴泉塔」と称せられるものである。温泉の
噴出する口の周囲に、水に溶けた物質が析出沈積して曲線的|円錐体を作る。そうして、....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
一脈、その次に早川連巓の一線、最後に赤石山系の大屏風が、立て列なっている。富士の
噴出する前から、そこに居並んで、もっとも若い富士が、おどろくべく大きく生長して、....
「丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
ない。それにしてはあまりに貧弱な露店のような台ではあるが、しかし熱海の間歇泉から
噴出する熱湯は方尺にも足りない穴から一昼夜わずかに二回しかも毎回数十分出るだけで....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
である。火山そのものの姿が美しいのみならず、それが常に山と山との間の盆地を求めて
噴出するために四周の景観に複雑多様な特色を付与する効果をもっているのである。のみ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
ちまち心着いて、思わず、禁ぜざる苦笑を洩すと、その顔がまた合った。 「ぷッ、」と
噴出すように更に笑った女が、堪らぬといった体に、裾をぱッぱッと、もとの方へ、五歩....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
」 唐突に笑出した。 「あッはッはッ。」 たちまち口にふたをして、 「ここは
噴出す処でねえ。麦こがしが消飛ぶでや、お前様もやらっせえ、和尚様の塩加減が出来と....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ウ」のところへ走っていた。伊太利人の娘と衝突して両方が笑った。ここから一つの恋が
噴出すべきはずだと私は観察した。這入って来る人ばかりで誰も出て行く人はなかった。....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る。皇帝は天才的夢想をいだいていた。鼻を立て、塔を負い、勇ましい生命の水を四方に
噴出する、この武装せる驚くばかりの巨大なる象のうちに、民衆を具現せんと欲した。し....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
、メートルのコックを捻れば、火は消えるではないか、もう一度捻れば、ガスがドンドン
噴出するではないか。頗る簡単な事だ。 笠神博士――には限らない。或る人間は、私....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
った。二つの刀が、白く、きらっと人々の眼に閃いた瞬間、血が、三四尺も、ポンプから
噴出する水のような勢いで、真直ぐに奔騰した。そして、雨のように砕けて降りかかった....
「鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
下大崎町桐ヶ谷×番地無職近藤進方にて轟然たる音響が起り同時に窓より朦々たる白煙の
噴出するのを通行の者が認め直ちに駈附けたるに同家の主人にして愛猟家たる近藤進(三....