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噴煙
「噴煙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
噴煙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
正面に見えるんです。あれでいて、日によって色がさまざまに変わります。どうかすると
噴煙がぽーっと見える事もありますよ」
また言葉がぽつんと切れて沈黙が続いた。下....
「上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
厳ある岩壁の大部分を、この峡谷に展開して、容易に仰視し得られること、焼岳が盛んに
噴煙して、火山学者やまた地震学者の注意を惹《ひ》き初めたこと、明浄な花崗質の岩盤....
「富士」より 著者:岡本かの子
霞を貫きおお空の宙にまであとをひいていつとしもなく聞えなくなった。 福慈の岳の
噴煙は激しくなって、鳴動をはじめた。 不二の嶺《ね》のいや遠長き山路をも妹許《い....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
始めました。中でも、富士火山帯の活動はものすごく、富士山自身もついに頂上付近より
噴煙をはじめました。今後さらに活発になるものと思われます……」 富士山が噴火を....
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
うな光を放っている。二人は気がついてすぐ頭の上を仰ぐと、昼間は真っ白に立ちのぼる
噴煙が月の光を受けて灰色に染まって碧瑠璃の大空を衝いているさまが、いかにもすさま....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
本よろよろと、足許を覚束なげに立っている、顧れば焼岳の頂は凹字に刳られて、黄色い
噴煙が三筋、蒲田谷の方へ吹き靡いている、私の立っているところは、もう向う側の霞沢....
「超人間X号」より 著者:海野十三
らむような赤・黄・青・緑・白の五色の光りが研究所を包み、もうもうとしたきのこ形の
噴煙《ふんえん》が、建物の屋上から、大空高く巨大な翼《つばさ》をひろげたのである....
「地軸作戦」より 著者:海野十三
れは熱海の海岸などによくある竹の垣を結いめぐらして、湯槽の中から垣ごしに三原山の
噴煙が見えようというようなオープンなものではなく、例によって香港の地下三百メート....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
、コルシカ島のそばを通過する。 きのうは、エトナの噴火山のすぐ近くを通過して、
噴煙の盛んな光景を見た。 地中海はサザ波も無い静かさである。 初めて伊太利の....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
海の水平線は画幀の上部を狭く劃って、青灰色の天空が風に流れている。そこには島山の
噴煙が靡き、雲が這っている。地理的にいえばこの島山はこの絵を描いた位置からは少し....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
黒々と描かれ、ひときわ高く朱色に聳えた浅間らしい山の頂きから誇張された奇怪な姿の
噴煙が、虹を掻きまぜたような色彩に塗りたくられてあつた。 増田健次は、その画面....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
身手綱を曳き、関所越えれば旅の空、その旅へ再び出ることになった。 見れば三筋の
噴煙が、浅間山から立っていた。思えば今年の夏のこと、兄甚三に送られて、この曠野ま....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ったのさ」 ダンチョンは暢気そうに笑うのであった。 その日の夕方、林の彼方に
噴煙が高く上がるのを見た。焼き打ちに遇った土人部落が火事を起こしているのであろう....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
の偉容を仰いだものは一人もおらんのだ。……どうだ! あの天の果までとどくばかりの
噴煙を見ろ!……なあ、衛門。あの山の頂きは日本中で一番天に近いのだぞ。それから、....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
麓の形態にさえ多少の影響を及ぼしている。そして、その噴火と、噴火の期間には或いは
噴煙が認められたり、また、全く休止して静まり返った姿となったり、必ずしも同じ姿で....