囈語[語句情報] »
囈語
「囈語〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
囈語の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の店でも心配して医者を呼んだ。芝の家へも知らせてやった。巳之助は熱に浮かされて、
囈語《うわごと》のように叫んだ。 「狐が来た……。狐が来た」 事情をよく知らな....
「雪の塔」より 著者:海若藍平
しても不思議な事がある。お前達がまだ眼を醒まさないうちに、お前達はさも面白そうに
囈語《うわごと》を云ったり、手をたたいたりしていた。それが二人とも丁度同じ夢を見....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ば、私は遺憾ながら貴方を狂人と認めます、貴方の言葉は少しも辻褄が合わず全く狂人の
囈語《たわごと》です」権田は怒る様子もなく「左様さ、狂人の
囈語なら少しも貴方へお....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、何もかも素直に白状しました。その死にぎわには、おっかさんの幽霊が来たなぞと、
囈語のように云っていたそうです。それでも信次郎は運がいいのです。もし生きていたら....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
至らば、必ずや吾儕とその感を同じゅうするであろう。……ホイ、これはしたり、とんだ
囈語を長々どうも失敬! 江戸芸者と踊子 今のシャに深川芸者の粋と意気地なく、....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
は結構な仰せ、私も手短く申しましょうならお辰様を売せたくなければ御相談。ふざけた
囈語は置てくれ。コレ七、静に聞け、どうか売らずと済む工夫をと云うをも待たず。全体....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
うとはしなかった。じっとそのままとらせている。 「でもやっぱり行きたいわ。……」
囈語のようにこう云って彼女は多四郎の顔を見たが、 「あなたはどういうご身分のお方....
「死者の書」より 著者:折口信夫
婆は、もう飯を喰べても、味は失うてしまった。水を飲んでも、口をついて、独り語りが
囈語のように出るばかりになった。 秋深くなるにつれて、衰えの、目立って来た姥は、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
うことはありても、その内容は通例|末梢的の些事にとどまり、時とすれば取るに足らぬ
囈語やら、とり止めのない出鱈目やらでさえもある。この種の霊媒は、専ら霊の存在を証....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
うにも見える。もし出来るものならば、僕はあの鏡のうちの部屋に住みたい」 こんな
囈語めいたことを言いながら、鏡のうちを見つめて起ちあがるや、彼は異常の驚きに打た....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
まった。そこで、彼は悪寒を感じて熱病にかかるとともに、幽霊が出るなどとつまらない
囈語をいうようになった。要するに、過労が彼の病気の原因ともなり、死因ともなったの....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
して、枕をつかむやら、夜具を跳ねのけるやら、転げまわって苦しむのです。そうして、
囈語のように「済みません、堪忍してください。」と言いつづけていました。 宿でも....
「妖怪学」より 著者:井上円了
もみなことごとく休息すれども、その一部分醒覚して、他はいまだ熟眠せざることあり。
囈語は口部の神経だけ醒覚したるなり。あるいは手足の運動神経のみ醒覚して、耳、目、....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
という口の下から男子|畢世の業とするに足るや否やを疑うという如きは皆国士の悪夢の
囈語であった。 二葉亭は児供の時は陸軍大将を理想として士官学校を志願までした。....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
要したドイツのため止むに止まれぬ彼の意気は真に壮とせねばならぬ。彼が臨終に於ける
囈語は「吾人の右翼を強大ならしめよ!」であった。外国人の私も涙なくして読まれぬ心....