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四分五裂
「四分五裂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四分五裂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の力を借りようとしてるなんて、もっぱらそんな風評がありますさ。イギリスはこの国の
四分五裂するのを待ってるが、フランスにかぎって決してそんなことはないなんて、フラ....
「道標」より 著者:宮本百合子
※で開かれた。パリにおける三年の月日は、ソヴェトから行った若い素朴な三人の才能を
四分五裂させてしまっていた。三人の作品は、どれをみても、ソヴェト人にとって、外国....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
足を来し、独逸軍の決死的奮戦に見る見る圧倒されまして、今三箇月もすれば決定的に、
四分五裂の守勢敗北状態に陥るものと観測されておりました。 ここに於て米国ウオル....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
ばならないのは、民衆というものを如何に見るか、という基本的な規定の点では、見解が
四分五裂の観を呈したことである。明確に、現実の生活のありようがそれを示しているま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
であった夫人は、親戚の手に奪うが如く引取られてしまったということです。家来の者は
四分五裂です。 主人の能登守は自殺したという噂《うわさ》もあるし、遠国へ預けら....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
う文学上の時代は、そういう時期である。また或る時期には、現実に対する作者の態度が
四分五裂して、各人各様の態度をとり、随って作品の種類も雑多になる。謂わば無秩序無....
「自由主義私見」より 著者:豊島与志雄
知れない。或は何等かの堤防に直面して、特定の偏向と行動とを強いらるることにより、
四分五裂するかも知れないし、又は創立主旨とは異ったものへ転向するかも知れない。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
、その夜、露営しているとまた、孫策の兵が、にわかに夜討ちをかけてきて、さらぬだに
四分五裂の残兵を、ここでも散々に打ちのめした。 敗走兵の一部は、薛礼城へ逃げこ....
「三国志」より 著者:吉川英治
。蜀が一部の地を割いて曹操に与え魏蜀|提携して呉へ南下して来たら、呉は立ち所に、
四分五裂の敗を喫し、ふたたび長江に覇を載せて遡ることはできないでしょう」 「……....
「三国志」より 著者:吉川英治
。 ことに、戦闘力に弱点のある輜重隊なので、指揮官たる岑威が討たれると、魏兵は
四分五裂して、逃げ散った。王平はすぐ、「それっ。流馬を曳け、木牛を推せ」と部下を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
を駈け抜け、極楽寺下、前浜あたりへ、一せいに駈け上がったが、郭内の防衛陣は、もう
四分五裂となっていた。――稲瀬川をこえ、由比ヶ浜の一ノ鳥居方面へ。――あるいは、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
を通って、いきなり二条の尊氏の本陣へ、突進していた。 形からみても、足利軍は、
四分五裂のほかなかった。 そのうえ、楠木、名和、千種などの、昼から陣旗をひそめ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
はせまく、それにまた、あとからあとから押してくる味方ともぶつかりあった。で勢い、
四分五裂、上へ下へ、蜘蛛の子のような乱離をみせだしていた。 「散るな。散らばるな....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
部丞の戦意を、極度に沮喪させたことはいうまでもない。潰走はこの刹那から始まった。
四分五裂となった浦勢は、やむなく三木城へ通ずる街道の方面へ逃げ争ったが、そのとき....
「春の大方山」より 著者:木暮理太郎
本の樹が叢生して互に抱着したかの観があるが、よく視るとこれは中が朽ちた為に大幹が
四分五裂して、その一つ一つが可なりの大さに生長したのである。根元の周りは三丈もあ....