四十雀[語句情報] » 四十雀

「四十雀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

四十雀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
桜の樹の下には」より 著者:梶井基次郎
を俺は味わった。 この溪間ではなにも俺をよろこばすものはない。鶯《うぐいす》や四十雀《しじゅうから》も、白い日光をさ青に煙らせている木の若芽も、ただそれだけで....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
しまったと思ったが別に片附けようもないから、梅の木をあちらこちら飛び歩るいている四十雀《しじゅうから》を眺《なが》めていた。御母さんも話の腰を折られて無言である....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
って帰ったデカやピンが喘ぎ/\来ては、焦れた舌で大きな音をさせて其水を飲む。雀や四十雀や頬白が時々来ては、あたりを覗って香炉の水にぽちゃ/\行水をやる。時々は家....
黄いろのトマト」より 著者:宮沢賢治
。」 けれども蜂雀はやっぱりじっとその細いくちばしを尖《とが》らしたまま向うの四十雀《しじゅうから》の方を見たっきり二度と私に答えようともしませんでした。 「....
春昼」より 著者:泉鏡花
もありませぬが、草が繁りますと、分けずには通られません。 谷には鶯、峰には目白四十雀の囀っている処もあり、紺青の巌の根に、春は菫、秋は竜胆の咲く処。山清水がし....
太十と其犬」より 著者:長塚節
は止むなく竹の葉を滑ってこぼれて行く。澁い枳※の実は霜の降る度に甘くなって、軈て四十雀のような果敢ない足に踏まれても落ちるようになる。幼いものは竹藪へつけこんで....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
通大得意、というものは、木の実時なり、実り頃、実家の土産の雉、山鳥、小雀、山雀、四十雀、色どりの色羽を、ばらばらと辻に撒き、廂に散らす。ただ、魚類に至っては、金....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
ャン、ウサギチャン そんな動物が、子供のために飼育されていたけれど、私は、籠の四十雀にもカナリヤにも見むきもしなかった。 その頃、小児麻痺をして脚が跛だった....
化鳥」より 著者:泉鏡花
うッて呼んでるのは、あれは、あの、人なんか、犬なんか、分りませんもの。雀だって、四十雀だって、軒だの、榎だのに留ってないで、僕と一所に坐って話したら皆分るんだけ....
二十六夜」より 著者:宮沢賢治
に乗じてと、斯うじゃ。小禽の家に至る。小禽とは、雀《すずめ》、山雀《やまがら》、四十雀《しじゅうから》、ひわ、百舌《もず》、みそさざい、かけす、つぐみ、すべて形....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
が、それでもとうとう春は訪れて来た。雀は雪に凍てた羽根をのばして朝早くから啼き、四十雀や目白などの美しい小鳥の群も庭先の柿の木へ餌をあさりにやって来るようになっ....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
かしているように、鳥にも新たなる危険が多く、もう以前ほどは悠長でなくなっている。四十雀でも藪鶯でも、来たかと思うとすぐに行ってしまって、遊んでいようとする心持が....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
を子供が見出したのだが、雀ではどうもないようだ。頬白はこういう穴住居はしないし、四十雀ならよく来るが、どうも小さい頃見た四十雀の巣ともちがう。鶯にしては笹の葉が....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
くんだからおもしろい。それこそかまやしねえ。山路などにかかるてえと菫が咲いてる、四十雀が鳴いてる。廐の裏でも通りかかって、屁でもプッと落すと、馬がコトリとやるん....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
。 僅に咫尺を弁じ得る濃い白雲の中を、峰伝いに下っては登り登っては下って行く。四十雀や山陵鳥が餌をあさりながら猿麻※の垂れ下った樹間に可憐な音をころがしつつ遊....