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「四半分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

四半分の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
利き目が違って、其の酒の中へぽっちり、たらりと落して、一合の中へ猪口《ちょく》に四半分もポタリと落してやると何《なん》とも云えん味《あじわ》いのものだ、飲む気が....
行人」より 著者:夏目漱石
り払ってあったから、自分のいる所から、団扇の柄で指《さ》し示された部屋の入口は、四半分ほど斜めに見えた。しかしそこには女の寝ている床《とこ》の裾《すそ》が、画《....
明暗」より 著者:夏目漱石
なった。 封筒が次から次へと裏返された。中身が順々に繰りひろげられた。あるいは四半分、あるいは半分、残るものは全部、ことごとくお延によって黙読された。しかる後....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
碗の中には元からツユが八分目|這入《はい》っているから、迷亭の箸にかかった蕎麦の四半分《しはんぶん》も浸《つか》らない先に茶碗はツユで一杯になってしまった。迷亭....
オンチ」より 著者:夢野久作
く、鳥打帽を脱いで頭を下げた。 「……イヤ……中野さん。決して無理は云いません。四半分でいいんで……ねえ。それ位の事はわかってくれてもいいでしょう。貴方は大学を....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
か》ら顔して つまずきやすき驢馬《ろば》に乗り…… だが、おれはこのびんの四半分も飲んじゃあいないのだからサイリーナスじゃない。サイリーナスじゃないが強者....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
、本船に乗せないのです」 「糧食と飲料水の心配なら、わしら、いままでの半分でも、四半分でも、がまんします。どうか、本船に乗せてあげてください」 「そうだとも。十....
梟雄」より 著者:坂口安吾
信長はまるで風にもたれるように馬上フラリフラリと通って行く。虎の皮と豹の皮を四半分ずつ縫い合せた大そうな半袴をはいていた。どこからどこまで悪趣味だった。 ....
行雲流水」より 著者:坂口安吾
て進ぜよう」 ノンキな和尚であった。彼はドブロクづくりと将棋に熱中して、お経を四半分ぐらいに縮めてしまうので名が通っていたが、町内の世話係りで、親切だから、ウ....
小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
ルを起し易いタチで、鼻が乾いた時にはテキメンにやられるのが習慣であるから、年中、四半分ぐらいずつ風邪気味に、自然の天恵によって鼻がぬれているような体質なのではな....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
はまだ三十に届くまい。陽焦けのした骨太の顔に薄あばたがあり、耳の下から顎にかけて四半分ほど顔がない。ないというのはおかしいが、太刀で斬られた痕の肉が変に縮んでし....
それから」より 著者:夏目漱石
い」と父が又聞いた。代助は猶《なお》返事をしなかった。彼は今まで父に対して己れの四半分も打ち明けてはいなかった。その御蔭《おかげ》で父と平和の関係を漸《ようや》....