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四股
「四股〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四股の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
、丁々と撃った。すでに傷き片息になっている毛もののこととて、※《もが》くまもなく
四股をくいくいと伸して息絶えた。なべてものの死というものの、何かおかしみがありな....
「千年後の世界」より 著者:海野十三
九百三歳なのですね。それはとても信じられない」 まだ十九か二十の溌刺たる女性の
四股をもちながら、それで九百三歳とは、首肯しかねる。第一、そんな長寿者がいるもの....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
げて目をむき出し物すごいみえをきった。かけらがくちびるからひっこんだと見ると急に
四股を踏むようなおおぎょうな身振りをしながらばりばりとそのガラスを噛み砕く音を立....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
た。酔った辰爺さんは煙管と莨入を両手に提げながら、小さな体をやおら起して、相撲が
四股を踏む様に前を明けはたげ、「のら番は何しとるだんべ。のら番を呼んで来う」と怒....
「風に乗って来るコロポックル」より 著者:宮本百合子
に向って、イレンカトムは思わず、 「ウッウッーッ!」 と声を出しながら拳を握って
四股を踏んだ。それから、溶けそうな眼をして、ソロソロと長い髭を撫で下した。 斯....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
いですよ。私はこのとおりぴんぴん生きています」 刑事は、貫一の前で地響をたてて
四股を踏み、腕を曲げてみせた。なるほど幽霊ではなさそうだ。 「でも変だね。たしか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
沖田|総司《そうじ》は、力自慢が嵩《こう》じて相撲を一人ひっぱり出し、庭へ下りて
四股《しこ》を踏む。 「沖田川、しっかり!」 席は混乱して、みな縁先へ集まる。....
「悪夢」より 著者:豊島与志雄
、むらむらと湧き上ってくる。何物へでもよいから、力一杯にぶつかってゆきたくなる。
四股《しこ》を踏みしめて、街路樹と押しっくらがしてみたい。眼の前につっ立ってる、....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
るたびに、いつも感じた。呼出につづいて行司の名乗り、それから力士が一礼しあって、
四股をふみ、水をつけ、塩を悠々とまきちらして、仕切りにかかる。仕切り直して、やや....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
とさえ忘れてしまった。 「さあ、これから泳ぐんだ。」 俊亮は立ち上って砂の上に
四股を踏んだ。 「恭一は、もう随分泳げるだろうね。」 「まだ少しだよ。」 「父さ....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
秋十一月の事である。 林の中に庵室がある。一人の僧が住んでいた。穏の容貌、健の
四股、墨染の法衣に同じ色の袈裟、さも尊げの僧である――これは阿信の稚子法師であっ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
はなく、その手振りはまるで拳闘でもやっているような格好であり、その足の運びには、
四股をふむ時のような力がこもっていた。しかも、かれ自身は、どんなへまをやっても微....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
て来る討手へ
「周章てるな。周章てるな。日は長いし、川原は広い。輦台の上で、余り
四股を踏むと、人足が迷惑するぞ」
「黙れっ」
二つの距離は、三間近くまで縮まっ....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
―もちろん邦之助はつかれていた。が、疲労以外のからだのぐあいが邦之助を襲い、その
四股《てあし》をしばっているように感じられた。門から玄関へかかるのが邦之助にはい....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
東穂高の二峰がそれぞれ派せられている、何れも三千米突内外の同胞、自ら中堅となって
四股を踏み、群雄を睥睨しおる様は、丁度、横綱の土俵入を見るようだ。さはいえ、乗鞍....