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四角四面
「四角四面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四角四面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
とよくあります。その弊所をごく分りやすく一口に御話すれば生きたものを故《わざ》と
四角四面の棺《かん》の中へ入れてことさらに融通が利《き》かないようにするからであ....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
るたびに、きまりの悪い思をして困ったと云っていた。 学校を出た頃の彼は、非常に
四角四面で、始終《しじゅう》堅苦しく構えていたから、父や母も多少彼に気をおく様子....
「カーライル博物館」より 著者:夏目漱石
リック大王を著わしディスレリーの周旋《しゅうせん》にかかる年給を擯《しりぞ》けて
四角四面に暮したのである。 余は今この四角な家の石階の上に立って鬼の面のノッカ....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
など、よろずに瘋癲《きちがい》じみるまで喜びは喜んだが、しかしお勢の前ではいつも
四角四面に喰いしばって猥褻《みだり》がましい挙動《ふるまい》はしない。尤《もっと....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
さんで、月の無い夜を、ちゃらちゃらと、進んで行く。
松枝町の角に、なまこ塀の、
四角四面の屋敷。門は地味な衡門《かぶきもん》。それが当節飛ぶ鳥を落す、将軍|寵姫....
「道標」より 著者:宮本百合子
は、何てごしごし洗った、うす赤い手をしているんだろう。その手を、白い診察衣の膝に
四角四面において、鼻眼鏡をかけて、シングルの高いカラーに黒ネクタイをつけ、ぴんか....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ら。現在世界のどこでもここでも。精神病院、神経治療じゃ。又は瘋癲、脳病院じゃと。
四角四面の看板ひろげて。意匠|凝らした玄関構えじゃ。高価い診察、治療の代だよ。入....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
オオ神様泥棒が」って、殉教者の様な真似をしやあがる。擦った揉んだの最中に巡的だ、
四角四面な面あしやがって「貴様は何んだ」と放言くから「虫」だと言ってくれたのよ。....
「心に疼く欲求がある」より 著者:宮本百合子
実でないことを納得した、と語っている。読者は、このエピソードに、ソヴェトの人々の
四角四面で素朴な合理主義が、スタインベックの練達した話術のトリックにかかるモメン....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
て、その頃の月並《つきなみ》な警句をいった。 小伝馬町の牢屋の原を廻《めぐ》る
四角四面の町々に、アンポンタンの友達の分譜《ぶんぷ》があり、学んだ学校があり、長....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
たが、藤木家一族の墓石は幾十基かならんでいるが、その中に、特によい位置をしめて、
四角四面、見上げるほど高く、紋をつけた家根まで一ツ石でとってある、石の質も他のと....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。こちらでは徳山の岩本の主人がモーニング姿で出て、目録をあけて見て、又しまって、
四角四面なあいさつをします。何だか私はへーんな気になって、この美しくて儀式ばって....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
七歳以上は自分の娘《むすめ》でも同座せず、しかして早朝より裃《かみしも》をつけて
四角四面に端座しているか。かくのごとき人がはたして理想の人であろうか、かかる人を....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ても日頃親しく出入する由縁から十分訓誡して目を覚まさしてやろうと思い、一つはYを
四角四面の謹厳一方の青年と信じ切らないまでも恩人の顔に泥を塗る不義な人間とも思わ....
「はつ恋」より 著者:神西清
ばかりか、顔を胸へたくし込ませさえしたものである。笑い声は小やみもなしに続いた。
四角四面の地主屋敷に生い立って、一人ぼっちの生真面目な教育を受けてきた少年のわた....