四阿[語句情報] »
四阿
「四阿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四阿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
耳に響いて来ない。 忠直卿は萩の中の小道を伝い、泉水の縁を回って小高い丘に在る
四阿《あずまや》へと入った。そこからは信越の山々が、微かな月の光を含んでいる空気....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
上
吾妻山(一千八百六十米突) 十月二十日 大日岳(一千三百九十米突) 同上
四阿山(二千三百五十七米突)十月二十日 阿蘇山(一千五百八十三米突) 十一月廿....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
ょっと、野原に遊んでいる小児などが怪しい姿を見て、騒いで悪いというお心付きから、
四阿へお呼び入れになりました。 紳士 奴は、あの木戸から入ったな。あの、木戸から....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
其処を通抜けて、北上川、衣河、名にしおう、高館の址を望む、三方見晴しの処(ここに
四阿が立って、椅子の類、木の株などが三つばかり備えてある。)其処へ出ると、真先に....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
る中なる、緋葉の滝と云うのに対して、紫玉は蓮池の汀を歩行いていた。ここに別に滝の
四阿と称うるのがあって、八ツ橋を掛け、飛石を置いて、枝折戸を鎖さぬのである。 ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
は、旅籠でも承知のこと、相宿でも間に合いませぬから、廊下のはずれの囲だの、数寄な
四阿だの、主人の住居などで受けるでござりますよ。」 と搦手を明けて落ちよという....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
今日のブローカーであった。永禄四年の夏のことであったが、小諸の町へ出ようとして、
四阿山の峠へ差しかかった。そうして計らずも道に迷った。と、木の陰に四五人の樵夫が....
「熊狩名人」より 著者:佐藤垢石
三国が境する白砂山からはじまり、西へ大高山、赤石山、横手山、渋峠、万座山、猫岳、
四阿山、六里ヶ原などの深い渓谷と密林と懸崖であって、その健脚の歩く速さは熊よりも....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
い山女魚が棲んでいて、毛鈎の躍るを追い回す。殊に熊川渓谷の銀山女魚の味は絶品だ。
四阿山は、上信国境の峻峰であるけれど、遠く榛名の西の肩に隠れて姿を出さない。しか....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
島田髷の娘が、すたすたと、向うの吹上げの池を廻る処を、お悦が小走りに衝と追って、
四阿屋がかりの茶屋の軒下に立つと、しばらくして蛇の目を一本。「もうけ損って不機嫌....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
ると谷の空に遠く金字形の峰頭が浮んでいる。何山であるかその時は判然しなかったが、
四阿山の頂上であることを後に知った。暫くして二丈ばかりの瀑があり、右から小沢が合....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
過ぎよ。
あこがるゝ心もて
こなたへ続け。
その衣の
ひらめく帯は
下界を覆ひ、
四阿を覆へ。
恋する二人が深き心もて
生涯を相委ぬる
四阿を覆へ。
四阿は
四阿に....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
かり離れていた間に公高はすっかり変って妙によそよそしい態度をするのです。恰度庭の
四阿で友達と遊んでいるのを見たので、お菓子を持って行きましたが、二人は夢中で話し....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
観する為に、到底一つ一つの山を区別することは不可能であった。横手・白根・本白根・
四阿・浅間の諸山は紛る可くもない。
四阿山を中にして右には槍ヶ岳、左には穂高山が遥....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
樺色に染まった高い巻雲層の下に、動くともなく屯している幾重の乱雲に包まれて、唯だ
四阿山であったろう、長い頂上を顛覆した大船のように雲の波の上にちらと見せたが、す....