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「回り道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

回り道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
た虚無僧寺でしたから、鈍いようには見えてもさすがに伝六も右門の手下、早くもここへ回り道した理由がわかったのですが、それよりも賛賞すべきは右門のここへ立ち寄って虚....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ぴしとたたき上げていってみようよ。――ご出役のかたがた、ご苦労さまでした。ちっと回り道のようだが、これがあっしの流儀です。一真寺のほうから洗ってみましょうからね....
或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
か分からなかった。それに、ここまで来てしまえば、もはやどこにもそこを避《よ》けて回り道をする道は一本もなかった。そうでなくてさえ、時刻はもう迫っていた。爺はそこ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
まい――。しかるに、聞こえるのだ。その表まで歩みよると、こは不思議! お多根の身回り道具を持ち出していった以上は、十中八、九兄妹ふたりして出奔したか逐電したか、....
田舎教師」より 著者:田山花袋
ある。丸顔の、眼のぱっちりした、眉の切れのいい十八九の娘であった。清三はわざわざ回り道していつもそこを通った。見かえる清三の顔を娘も見かえした。 ある時こうい....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
利益地盤をあてにしたのと変らないが、併し帝大は営業の形を取らずに国家財政の方針を回り道にして来るから、私大程活発には実際社会の昨日今日の利害関係に影響されない。....
イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
アカデミー的研究機構によって勢力的に進歩するのではなくて、却って固陋な意識による回り道と繰り返しと重複とを通して、エネルギーを無統制に浪費せざるを得ない。同様に....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
どうやら西田哲学はファシズム・イデオロギーにぞくしそうに見える。だが之も、比較的回り道をしない限り、決して直接には成り立たない主張だろう。第一に西田哲学が、弁証....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
うなものによって理解されてはならないのである。それはこうである―― まず一つの回り道をしよう。人々は存在の特色をどういう処に見出すだろうか。少なくともそれは、....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
事実上出来ないので、非因果的に、直接に、存在物と意識とを短絡させて了うのである。回り道を抜きにして短絡するというこういう直接さが、認識というものを他の存在諸関係....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
を以て改めて所謂純文学――実は文壇文学――の特権的な属性にしようとする、そういう回り道が、よい思いつきとして残される。賢明な文壇人は、「純文学」の問題を、「文学....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
波講座『教育科学』)の方は可なり苦しいアナロジーによるのでしかないが。 泥濘は回り道をしても矢張り泥濘へしか導かない。風土史観や国民性理論によっても、反動の終....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
クリストフはその週の間、待ち遠しさに苦しんだ。彼はいつもの道を通らないで、長い回り道をし、オットーの家のある方面を彷徨《ほうこう》した――彼に会おうと考えてる....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。それを感じながらも認めたくなかった。彼はがんばって、すぐに家へは帰らずに、長い回り道をした。無駄《むだ》な苦しみだった。まいったことを認めざるを得なかった。足....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
彼は、あたかも司祭邸の戸が何か誘惑物ででもあって、それを避けんとするかのように、回り道をした。それから彼は自分の室に上ってゆき、そして中に閉じこもった。彼はよく....