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回向院
「回向院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
回向院の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
一 本所
大導寺信輔の生まれたのは本所《ほんじょ》の
回向院《えこういん》の近所だった。彼の記憶に残っているものに美しい町は一つもなか....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ょく》に富んだ、掴《つかま》え所のない問題はない。保吉は死を考える度に、ある日|
回向院《えこういん》の境内《けいだい》に見かけた二匹の犬を思い出した。あの犬は入....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ける事になったのでしょう。ほどなく泰さんに別れると、すぐ新蔵が取って返したのは、
回向院《えこういん》前の坊主軍鶏《ぼうずしゃも》で、あたりが暗くなるのを待ちなが....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
また不思議です。柳橋から両国橋を渡って、大川沿いに土手を左へ曲がりながら、そこの
回向院《えこういん》裏の横堀《よこぼり》の奥へどんどんと急ぎました。 突き当た....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は灼けるように暑かった。ふたりは眼にしみる汗をふきながら両国橋をいそいで渡ると、
回向院の近所には藪入りの小僧らが押し合うように群がっていた。 「ここの閻魔さまは....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
勢屋の旦那に引かされて、相生町一丁目に家を持っていますよ」 「相生町一丁目……。
回向院の近所だね」 「そうです」 「お俊は薄あばたがあったかね」 「いいえ」 ....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
某氏は全力を尽して奔走してくれた。家族はことごとく自分の二階へ引取ってくれ、牛は
回向院の庭に置くことを諾された。天候|情なくこの日また雨となった。舟で高架鉄道の....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
の一人だった。 一七 幼稚園 僕は幼稚園へ通いだした。幼稚園は名高い
回向院の隣の江東小学校の附属である。この幼稚園の庭の隅には大きい銀杏が一本あった....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
。さて幸兵衞夫婦は遂に命を落しました。其の翌日、丁度十一月十日の事でございます。
回向院前の指物師清兵衛方では急ぎの仕事があって、養子の恒太郎が久次留吉などという....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
来では商家の手代が、下谷池之端では老人の易者が、深川木場では荷揚げ人足が、本所|
回向院では僧が殺された。 江戸は――大袈裟な形容をすれば、恐怖時代を現じ出した....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
降りるわ、混合う人数の崩るるごとき火水の戦場往来の兵には、余り透いて、相撲最中の
回向院が野原にでもなったような電車の体に、いささか拍子抜けの形で、お望み次第のど....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
色を変えて血眼になって、その捜索を、府下における区々の警察に頼み聞えると、両国|
回向院のかの鼠小憎の墓前に、居眠をしていた小憎があった。巡行の巡査が怪んで引立て....
「日置流系図」より 著者:国枝史郎
これで眠気は防ぐことが出来る。 この間も夜は更けて行った。と鳴り出した鐘の音。
回向院で撞く鐘でもあろうか。陰々として物寂しい。 とたんに「ヒェーッ」と帛を裂....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
久は黄八丈という詞に少し力を入れて低声で云い聞かせた。 この春お熊が母と一所に
回向院のお開帳へ参詣した時に、お菊も供をして行った。お熊の黄八丈の小袖が群集の中....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
の与平、うなぎ屋の須崎屋、牛肉の外にも冬になると猪や猿を食わせる豊田屋、それから
回向院の表門に近い横町にあった「坊主軍鶏――」こう一々数え立てて見ると、本所でも....