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回航
「回航〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
回航の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
《おのおの》のロープについた。そして波田は、サンパンに乗った。それをタラップまで
回航するためであった。かわいそうなドンキーは、また機関室へはいって、蒸気をウイン....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
にいる伊国公使や普国公使を顧みて、自分ら三人は明十五日までに大坂を出発して横浜へ
回航したい、と述べた。 ファルケンボルグはしきりに手をもんだ。横浜居留地の方の....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
、マターファは公然兵を集めて山岳密林帯に立籠《たてこも》った。独逸の軍艦は沿岸を
回航して叛軍の部落に大砲をぶち込んだ。英米が之に抗議し、三国の関係は、かなり危い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らぬ外洋へ向けて出発せしめんとするのではなく、ひとまず陸前の石巻《いしのまき》へ
回航させて、かの地を第二の根拠として、なお修復と改良を加えてからのことだから、仮....
「女の一生」より 著者:森本薫
又旅順を落して我が軍は意気大いに昂っているが、ロシヤでは、バルチック艦隊を東洋に
回航させるという噂もあるし、陸では沙河に大軍を集めて決戦準備しているという説もあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の辺に船を回漕せしめたとしても、その船は、どういう船の持主によって、ドコの浜から
回航されたかということ……一説によりますると、ここのいわゆるかとりの海というのは....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
に、当番水夫が四、五人残っているだけだった。それだけの人数で、この巨船を横浜まで
回航できるだろうか。素人だけで、こんな汽船を動かせたら、それこそ奇蹟だろう。が、....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
りアジ家を起した初代であり、不漁になやむ晩夏、ヤケ半分にイワシを探して大島方面を
回航するうちに、時ならぬアジの大群を発見した。彼は若い者に後事を托してアジを追わ....
「埋もれた日本」より 著者:和辻哲郎
ポルトガルの航海者ヘンリーはすでに乱の始まる七年前に没していたが、しかしアフリカ
回航はまだ発展していなかった。だからヨーロッパもまだそんなに先の方に進んで行って....
「汽船が太平洋を横断するまで」より 著者:服部之総
すでに定期航路についている。太平洋の商業はいまやパナマに集中した。ケープホーン迂
回航路は古くなった。 緯度三十度にわたる海岸、世界で最も美《うる》わしい最も豊....
「黒田清隆の方針」より 著者:服部之総
拘束命令書が発せられたときには姿を消していたのである。 同艦はその後アゾレスに
回航し、そこでリバプールから来航した二隻の英船によって武器を供給された。同艦の乗....
「志士と経済」より 著者:服部之総
国臣は変名していた――の正体まで洗われそうになったので、この二代目雲浜は竹崎から
回航した最後の貿易船に打ち乗って、連島を去った。その翌日、三宅は役所に召喚され、....