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回診
「回診〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
回診の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
になって見れば、母一人が患者《かんじゃ》ではなし、今頃はまだ便々《べんべん》と、
回診《かいしん》か何かをしているかも知れない。いや、もう四時を打つ所だから、いく....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
は当分またこの病院を第二の家とする事にした。 二 病院に帰り着いた十一日の晩、
回診の後藤さんにこの頃院長の御病気はどうですかと聞いたら、ええひとしきりはだいぶ....
「芽生」より 著者:島崎藤村
《かんちょう》というをした。 皆川医学士を始め、医局に居る学士達はかわるがわる
回診に来た。時には、学生らしい人も一緒に随いて来た。看護婦だの、身内のものだのが....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
り始めた盆栽の手入れをしながら、うっかり植木の新芽を摘みすぎてしまったり、正規の
回診時間にひどい狂いが起きたりするうちはまだよかったが、やがて嵩んだ苦悩のはけ口....
「光の中に」より 著者:金史良
と鼻の所だけが少しばかり明いてみえる。彼女はじっとしたまま何も答えない。尹医師は
回診のために席をはずしてくれた。私は彼女にどういうふうに話しかけたものだろうかと....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
の邸宅へ遊びに行ったこともある院長にも来てもらうことにした。 その先生が病院の
回診をすましてから、俥でやって来た。その時葉子の寝床は、不断母親の居間になってい....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
た。 病床の日課は割合忙しくて朝、午後、夕方の検温や、その間に巡ってくる院長の
回診日や、清拭日やいろいろあった。 坂上とよ子はそれでも合間々々の十日足らずの....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
分。女郎の本名をお千と聞くまで、――この雑仕婦は物頂面して睨んでいた。 不時の
回診に驚いて、ある日、その助手たち、その白衣の看護婦たちの、ばらばらと急いで、し....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
一月から、いよいよ先生の門に入り専門の学問を修めることとなったのであるが、先生の
回診は病室の畳のうえに据わられて、くどくどと話す精神病者の話を一時間にても二時間....
「生と死との記録」より 著者:豊島与志雄
むのに、長くかかるようになった。それがすむと非常に疲れるらしかった。 夜U氏の
回診の時、私は云った。 「脳は大丈夫でしょうか。よくなっても馬鹿になるようなこと....
「霧の中」より 著者:豊島与志雄
思いだした。 それから少したってからだ。婆さんは病院にやっていった。丁度院長の
回診の時だ。大勢いっしょにはいってる三等病室で、院長は医員や看護婦を随えて、一わ....
「神経衰弱的野球美学論」より 著者:坂口安吾
から判断されてアッサリ野球見物をすすめて下さったわけだが、担当の千谷外来長は毎日
回診して外見以上のことを熟知していられるから、僕がさっそく科長の言葉をタテにとり....
「光は影を」より 著者:岸田国士
えず、小萩は、内心ギクリとして、眼を窓の方へそむけた。 午前中は、院長の臨時の
回診があつたり、患者たちで作つている組合の委員選挙があつたりして、とうとう時間が....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
一ヶ月ぐらいコンコンとねむります。ねている最中には食事のたびに起きて食事したり、
回診の先生と話を交したりします。もっとも全然コンコンとイビキをかき通してねむりつ....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
護婦たちも軽い鼾《いびき》をかいている。ずいぶん疲れているらしい。 夕方から巡
回診療、戸別訪問をする。町内会長の岡村さんをたずねたら、まず本人が重傷で寝ておら....