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団塊
「団塊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
団塊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
できるというのである。 紀元前五世紀の道教学者列子は『始めに、一つの組織のない
団塊、すなわち、渾沌があった。これは、後に形態、精神及び物質に進化し得る可能性を....
「ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
愚直な蝦蟇は触れられるたびにしゃちこ張ってふくれていた。土色の醜いからだが憤懣の
団塊であるように思われた。絶対に自分の優越を信じているような子猫は、時々わき見な....
「子猫」より 著者:寺田寅彦
訴えて来た。おりて来て見ると、三毛は居間の縁の下で、土ぼこりにまみれたねずみ色の
団塊を一生懸命でなめころがしていた。それはほとんど生きているとは思われない海鼠の....
「丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
記憶している。それを見ても通例女の虚栄心というものは、人間のあらゆる本質的欲求の
団塊の、ほんの表面の薄膜に生ずる黴ぐらいのもののように取り扱われているようである....
「春六題」より 著者:寺田寅彦
実した生命の歓喜におどっているようにも思われた。やがて茎の頂上にむくむくと一つの
団塊が盛り上がったと思うとまたたくまにその頭がばらばらに破れて数十の花弁が花火の....
「空想日録」より 著者:寺田寅彦
演を観覧に供していた。回転台の上へ一塊の陶土を載せる。そろそろ回しながらまずこの
団塊の重心がちょうど回転軸の上に来るように塩梅するらしい。それが、多年の熟練の結....
「記録狂時代」より 著者:寺田寅彦
この競技の光景を描いたものがあれば読んでみたいものである。 シガーの灰の最大な
団塊を作ったというレコードもやはりドイツ人の手に落ちた。これは一九二九年のことで....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
の花の視像をそれと認識すると同時に、一抹の紫色がかった雰囲気がこの盛り花の灰色の
団塊の中に揺曳するような気がした。驚いて目をみはってよく見直してもやっぱりこの紫....
「糸車」より 著者:寺田寅彦
同様であろう。 花時が終わって「もも」が実ってやがてその※が開裂した純白な綿の
団塊を吐く、うすら寒い秋の暮れに祖母や母といっしょに手んでに味噌こしをさげて棉畑....
「郷土的味覚」より 著者:寺田寅彦
をした食えない部分があってその頭にこれと同じくらいの大きさで美しい紅色をした甘い
団塊が附着している。噛み破ると透明な粘液の糸を引く。これも国を離れて以来再びめぐ....
「蜂が団子をこしらえる話」より 著者:寺田寅彦
みこなしていた。私が見付けた時にはそれがもうほとんど毛虫だか何だか分らないような
団塊になっていたが、ただその囲りから突き出た毛束によってそう考えられたのである。....
「雑記(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
回の爆発をやるのがいちばん多いようであった。つづけて五回音がして空中へ五つの煙の
団塊が団子のように並ぶだけと云わばそれまでのものである。 「音さえすりゃあ、いい....
「雑記帳より(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
ットという薔薇がある。濃紅色の花を群生させるが、少しはなれた所から見ると臙脂色の
団塊の周囲に紫色の雰囲気のようなものが揺曳しかげろうているように見える。 人間....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
四十三にしてはふけて見える。皮膚は蒼白に黄味を帯び、髪は黒に灰色交じりの梳らない
団塊である。額には皺、眼のまわりには疲労の線条を印している。しかし眼それ自身は磁....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
と爆音が耳に谺したと同時に庭前へ飛びだして西の空を望むと、むくむく灰色の大噴煙の
団塊が、火口から盛り上がるのを見るのである。それから一秒、二秒。煙の
団塊は天宙に....