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囲み
「囲み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
囲みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
佐と、折から官命で内地から視察に来た農商務省技師の山川理学士とが、一つテエブルを
囲みながら、一碗の珈琲《コオヒイ》と一本の葉巻とに忙しさを忘れて、のどかな雑談に....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
が早いか、四方から白刃《しらは》の垣を造って、犇々《ひしひし》とそのまわりを取り
囲みますと、先ず頭立《かしらだ》ったのが横柄に簾《すだれ》を払って、「どうじゃ。....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
堆《うずたか》く側のテエブルへ盛り上げました。友人たちは皆そのテエブルのまわりを
囲みながら、
「ざっと二十万円くらいはありそうだね。」
「いや、もっとありそうだ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
カルメンを鳴らしていた。彼の左右には幾組もの客が、白い大理石の卓子《テエブル》を
囲みながら、綺麗《きれい》に化粧した給仕女と盛に饒舌《しゃべ》ったり笑ったりして....
「或る女」より 著者:有島武郎
のだった。
葉子はその時十九だったが、すでに幾人もの男に恋をし向けられて、その
囲みを手ぎわよく繰りぬけながら、自分の若い心を楽しませて行くタクトは充分に持って....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
く。) 公子 引廻しと聞けば、恥を見せるのでしょう、苦痛を与えるのであろう。槍で
囲み、旗を立て、淡く清く装った得意の人を馬に乗せて市を練って、やがて刑場に送って....
「外科室」より 著者:泉鏡花
とお押え申せ」 いと厳《おごそ》かなる命のもとに五名の看護婦はバラバラと夫人を
囲みて、その手と足とを押えんとせり。渠らは服従をもって責任とす。単に、医師の命を....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
と一隊の自衛団と一隊の警官と五人の探偵がこっそり未荘に到著して闇に乗じて土穀祠を
囲み、門の真正面に機関銃を据えつけたが、阿Qは出て来なかった。 しばらくの間、....
「明日」より 著者:井上紅梅
大きくなった、品物が余りになさ過ぎた。 非常に大きくなった部屋は四面から彼女を
囲み、非常に無さ過ぎた品物は四面から彼女を圧迫し、遂には喘ぐことさえ出来なくなっ....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
豆は彼の手から一つ一つ子供等に分配され、子供等はそれを食べてしまったあとでもなお
囲みを解かず、小さな眼を皿の中に萃めていると、彼は急に五指をひろげて皿を覆い、背....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
の軸のような金属棒が出ていた。 このまわりを白い手術着を着た十人ばかりの人物が
囲み、息をつめて壜の中を見ていた。只ひとり、室の隅の椅子に坐って、身体を震わせて....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。 ◯この夜は静かで楽しい団欒。茶の間では昌彦以外の子供四人とねえや二人が朝子を
囲み、八畳では英と養母とに昌彦も加わって、話に花が咲いているらしい。私はこれから....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
つもきまってそのようであった。 「きょうネ」とお千は或るとき彼を迎えて夕炊の膳を
囲みながらいった。 「ホラこの前吾妻橋の上で行き会ったあんたのいいひとネ。あの女....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
の事は大秘密ですぞ」 3 さて十一月十一日の当日、苅谷邸は警官隊で取
囲み、ものものしい警戒ぶりであった。 だが時刻は移っても、怪しい者の姿は一向現....