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図らず
「図らず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
図らずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
サチ子はもちろん僕のいうことに同意したので、僕は再会を約束して、彼女とわかれた。
図らずも、僕は探偵をまねて、冒険を始めることとなった。小屋に近づくと、あたりはも....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
西洋海底地震の調査のために昨日来大西洋の海底に下りて観測中であったが、博士一行は
図らずも同海底に国籍不明の怪人集団と、それが拠れる海底構築物を発見した。この輝か....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
平から力強く伸び上がってだんだん高くなりながら、岩内の南方へ走って来ると、そこに
図らずも陸の果てがあったので、突然水ぎわに走りよった奔馬が、そろえた前脚を踏み立....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
といったが、このとき僕はいまT市会に断然勢力を有する議長候補の動坂三郎の名が、
図らずも、怪しいホテルに同室する闇の女の口から出たので驚いた。そして今宵「深夜の....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
事情の判らない一同は不審そうに瞶めた。 「いや、有難う、村山君。君の手帖のお蔭で
図らずも犯人、いや有力な嫌疑者が判明した。感謝する!」 益々意外な赤羽主任の言....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
として後日物語がうち断たれてある有様だった。 五年あまり後の今日―― ここに
図らずも、あの「ラジウム入り患者の失踪事件」の真相と、その後日物語を発表する機会....
「大脳手術」より 著者:海野十三
で私の傍をすれちがって行ってしまう。私はたいへん気楽になった。 或るとき、私は
図らずも一つの問題に突当った。それは外でもない。こうして容貌も変り、声も変り、四....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
て、ここを漂っていたのだ。そこへまた今度、猿田の操縦した新宇宙艇が通りかかって、
図らずもドーンと衝突した。そのときパイプが裂けて、動かなくなり、そのままこの無引....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ぬ深刻なる皮肉で彼を迎えようとは、神ならぬ身の気づくよしもなかった。 その日、
図らずも彼は、もう死んだものとばかり思っていたミチミに、バッタリ行き逢ったのであ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
た後で、私から言葉をかけました。―― 『お別れしてから随分長い歳月を経ましたが、
図らずも今ここでお目にかかることができまして、心から嬉しうございます。』 『全く....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
従の必要を、地上の人類に強調せんとする時、うっかり霊媒の体躯に対する顧慮を失い、
図らずも汝に苦痛を与えることになった。今度はつとめて心の平静を保つよう注意を怠ら....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
るんだ。彼はガッカリしてあたりを見ると、まるで蟻のように人が附いて来た。そうして
図らずも人ごみの中に一人の呉媽を発見した。ずいぶんしばらくだった。彼女は城内で仕....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
おりまして、本箱の中は報道をもって充満しております。これは誠に私の望むところで、
図らずもかくのごとく多くの事実が集まったのは、私にとっては誠に幸福と思っておるこ....
「西航日録」より 著者:井上円了
学教授の職にあり。余、ときに再四相会して文林の交をなせり。爾来久しく消息を絶し、
図らずもこの地において再会せるは、実に奇縁というべし。氏、余に送るに写影および著....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
に、『斎藤茂吉全集』の書簡篇に自分の持っている茂吉の手紙と葉書を提出してから後に
図らず或る本にはさんであったのを見つけた、二通の茂吉の葉書がある。その一通は、ス....