固くなる[語句情報] »
固くなる
「固くなる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
固くなるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
で聞えた風間老人までが、うって変ってこのようなことを言うのに、わたしは思わず身の
固くなるのを覚えた。 「……いや、初めからお話しましょう」 と風間老人は、わた....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
ように、すすでいっぱいになるまで欠かさず火をたき、かまどの下が地の底の岩のように
固くなるまで絶えず火をもやして、りょうしたちの取って来る大すずきをたくさんに料理....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
小さい電動機に、雪をかかせるのは、むりであった。雪がやわらかいうちはいいが、雪が
固くなると、とてもいけない。そのうちに、線と線との間に火花がとんで、全くまわらな....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
た、足をくばって、足、足! 足を……右足を軽くせんと横から斬りこまれたときに体が
固くなるぞ、ああああだめだ、あの役者はすきだらけだ、あんな近藤勇があるもんか、あ....
「計略二重戦」より 著者:甲賀三郎
いのじゃ。しっかり頼むぞ」 総長の情の籠った信頼の言葉に、仁科少佐の身体は益々
固くなるのでした。 情報課長の谷山大佐は、参謀総長の言葉をついで、どんな事があ....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
「何だ!」 一通の声ではない。さっきから口が利けないで、あのふくれた腹に一杯
固くなるほど詰め込み詰め込みしておいた声を、紙鉄砲ぶつようにはじきだしたものらし....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
、自分のことについて、父が何か重大なことを言い出そうとしていると思って、いよいよ
固くなるばかりであった。 「母さんも、もう二三日すると、こちらにご厄介になること....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
はこんな固いお餅じゃ切るのに骨が折れるのではないかとさんざんのお叱言、上餅は早く
固くなるもので、陸稲の粗悪な餅はいつまでもやわらかで伸びるものですが、安値な大福....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
よほど君らにしっかりしてもらわなくちゃあ。」 次郎の食いしばった口は、いよいよ
固くなるばかりだった。 「果物でも持って参りましょうね。」 さっきから心配そう....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
長は、己れのふとした疑惑が遂に恐るべき実を結んだのをハッキリ意識しながら、思わず
固くなるのであった。―― 恰度、この時のことである。 不意に、全く不意に、あ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
毎に、駒下駄を直さして、ああ、勿体ない、そう思う、思う心は、口へは出ず、手も足も
固くなるから、突張って、ツンツンして、さぞ高慢に見えたでしょう。髪の毛一筋抜けた....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
一面|磨硝子のようになる。同時にパレットの上の水が凍って絵具が溶けない。筆の先が
固くなる。詮方なしに写生をやめた。 池の茶屋というのは、この冷い水の滸りに建て....
「鮑の水貝」より 著者:北大路魯山人
きのいい雄貝を塩をたくさん使って揉む。そうすると、塩のために、石突きが石のように
固くなる。塩をたくさん用いれば用いるほど
固くなる。塩が少ないと中の方までは固くな....
「山椒魚」より 著者:北大路魯山人
てはみたが、なかなかどうして、簡単に煮えない。煮えないどころか、一旦はコチコチに
固くなる。それから長いこと煮たが、一向やわらかくならない。二、三時間煮たが、なお....