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「固し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

固しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
も、私家も、同一に水びたり。根太の弛んだはお互様じゃが、私が家など、随分と基礎も固し、屋根もどっしりなり、ちょいとや、そっとじゃ、流れるのじゃなかったに、その時....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
って来た。彼は藻をひと目見てあっと驚いたが、そばには立派な侍が物々しい顔をして警固しているので、彼はむやみに声をかけることも出来なかった。となりの陶器師の店の前....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
へ出たがるらしい様子である。さりとて滅多に出してもやられないので、代るがわるに警固しているあいだに、あるとき番人の隙をみて、すっぽんは表へ這い出した。又もや大騒....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ようにあたりを照らすかと見るうちに、大勢の家来らしい者どもが緋の着物をきた人を警固して来た。人はここの家の主人がゆうべ見た通りに、几にむかって書物を読みはじめた....
若き姿の文芸」より 著者:小川未明
の作品から吾人は何等の優しみも、若やかな感じも与えられず、恰かも砂礫のような、乾固したものであったなら、其れは芸術品としての資格を欠くと謂い得る。芸術には『冷た....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
オレンジだった。しかも、その赭黒く熟れ過ぎているところを見ると、まるでそれが、凝固しかかった血糊のように薄気味悪く思われるのであるが、その色は妙に神経を唆るのみ....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
中間を目掛け横木を越えるように投げ上げたのです。そして、一方の端を、短剣の束に凝固しかけた糊のような血潮で粘着させてかき、片方は振綱に挾んである足踏み用の瓦斯管....
冬の日」より 著者:梶井基次郎
や行為はいつの間にか佯《いつわ》りの響をたてはじめ、やがてその滑らかさを失って凝固した。と、彼の前には、そういった風景が現われるのだった。 何人もの人間がある....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の病人を診て貰う訳にはいかぬだろうか。」下僕の言うには「医者などはしない。誠に頑固しい訝しな人で何と勧めても人の言うことを肯かない。道々お医者さんをして来れば儲....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
、前引兵庫のシュクの場合と同じく、村落都邑に付属し、部下を率いてその村方町方を警固し、その報酬として一定の俸給を貰う。農村であれば出来秋に稲を貰う。普通は一反に....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ります。されば個人に属した家人や奴婢が、乱世に武芸を練磨して、その主人の身辺を警固し、主人のために敵と戦うようになりましては、身分はやはり家人なり奴婢なりであり....
運命」より 著者:幸田露伴
して卜せしむ。忠卜して卦を得て、貴きこと言う可からずという。燕王の意|漸くにして固し。忠|後に仕えて兵部尚書を以て太子監国に補せらるゝに至る。明史巻百五十に伝あ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
こらの人たちが並んでいます。赤筋の這入った服の騎兵が、鎗を立てて御馬車の前後を警固して行きます。騎兵の人々に遮られて、よく拝されません。やがて皇后陛下の御馬車が....
人工心臓」より 著者:小酒井不木
きものは、血液の凝固することです。御承知のとおり血液は、血管の外に出ると直ちに凝固しますが、この凝血の一片でも血中に送りこまれると、小さな血管の栓塞を起して組織....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
立ちすくむ足を踏み占めて、空を仰ぐと、頭上には隆々たる大岩壁が、甲鉄のように、凝固した波を空に抛げ上げ、それ自らの重力に堪えがたいように、尖端が傾斜して、頽れ落....