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「固め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

固めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
将軍」より 著者:芥川竜之介
ないか?」 その時もう白襷隊は、河原の向うへ上っていた。そこには泥を塗《ぬ》り固めた、支那人の民家が七八軒、ひっそりと暁《あかつき》を迎えている、――その家々....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
春の月夜へ、一目散に逃げて行った。 彼は歯を喰いしばったまま、ようやく足を踏み固めた。しかし眼を開《あ》いて見ると、火と煙とに溢《あふ》れた家の中には、とうに....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
の、斧《おの》を執るもの、戟《ほこ》を持つもの、皆それぞれ、得物《えもの》に身を固めて、脛布《はばき》藁沓《わろうず》の装いもかいがいしく、門の前に渡した石橋へ....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
る態度を示しながら、あの紫の襟飾《ネクタイ》とあの山高帽《やまたかぼう》とに身を固めて、ドン・キホオテよりも勇ましく、不退転の訳読を続けて行った。しかし先生の眼....
県歌 信濃の国」より 著者:浅井洌
流れ淀まずゆく水は 北に犀川|千曲川 南に木曽川天竜川 これまた国の固めなり 三 木曽の谷には真木茂り 諏訪の湖には魚多し 民のかせぎも豊か....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は、もちろん私達の時代にはなかったもので、その頃のお菓子というのは、主に米の粉を固めた打菓子でございました。それでも薄っすりと舌に甘く感じたように覚えて居ります....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
嘘も事実もない。それまではしばらく間接的証明の蓄積によりて、一歩一歩自己の信念を固められたい。自己を裁くと同一筆法を以て他を裁けば、決して間違いは起らない。それ....
或る女」より 著者:有島武郎
ほどの奮発を頼みます……えゝと、財産のほうの処分はわたしと田中さんとで間違いなく固めるし、愛子さんと貞世さんのお世話は、五十川《いそがわ》さん、あなたにお願いし....
親子」より 著者:有島武郎
まった。 「思ってはいませんがね。しかし私にはどうしても現在のようにうそばかりで固めた生活ではやり切れません。矢部という人に対してのあなたの態度なども、お考えに....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
うだ」と独言を云って、又其の奇怪な流暢な口辞を振い始めた。 処が世の中は芝居で固めてあるんだ。右の手で金を出すてえと、屹度左の手は物を盗ねて居やあがる。両手で....
星座」より 著者:有島武郎
の沈黙が続いた。と思うと純次はいきなり立ち上って、清逸の方に近づくが早いか、拳を固めて清逸の頭から顔にかけてところきらわず続けさまになぐりつけた。それは思わず清....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ルト、ヴァントフ、ボルツマンのごとき大家と共同研究を続行しながら次第にこの基礎を固めていった。ギーセン大学からの招聘を辞退して一八九一年故国スウェーデンに帰り、....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
も奥州方面の山間へ行くとある「でっち」というものが使われた。それは松脂の蝋で練り固めたもので、これに類似した田行燈というものを百姓家では用いた。これは今でも一の....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ン附近に陣地を占領せる敵軍を観察し、その左翼を攻撃して一挙に敵を撃破するの決心を固めた。 これがため大王は普軍の先頭がベルン村近くに到着せるとき、これを左へ転廻....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
せた。 この会計だが、この分では、物価|騰昇寒さの砌、堅炭三俵が処と観念の臍を固めたのに、 「おうう、こんな事で。……光栄です。」 「お給仕の分もついておりま....