固執[語句情報] »
固執
「固執〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
固執の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
鵠《せいこく》を射抜いていましたら、影がK君を奪ったのです。しかし私はその直感を
固執するのでありません。私自身にとってもその直感は参考にしか過ぎないのです。ほん....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
、母親は「自分さえ辛抱すればやっていける」という吉田にとっては非常に苦痛な考えを
固執していてそれを取り上げなかった。そしてこんな場合になっては吉田はやはり一匹の....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、二番目に同じことをいった人は馬鹿だ」とヴォルテールがいった。少くとも智的生活に
固執する人は美人を花に譬える創意的なことはしない。然しそれを百合の花若しくは薔薇....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の問題に関する人間の考え方を注意して見てきたが、各々の学派は銘々に自分らの意見を
固執して他の派の考え方に反対している。私はそのいずれもを疑わないわけにはゆかなか....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
火蓋を切るところまでは行かなかったけれど、隊形は、米国艦隊が飽くまで南西の進路を
固執し、一挙|鹿島灘から東京湾を突こうというのに対し、我が日本艦隊は真南から襲い....
「鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
と云った。岩下、之を岩倉に告げたので、具視大いに決する所あり、土越二藩|尚前説を
固執するならば、いかなる不測の変あらんも測られざるに至ったので、浅野|茂勲その間....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。しかも私の医者は、わたしの頭や消化力や視力が病いに冒されているために、時どきに
固執性の幻想が起こってくるのであると解釈している。幻想、まったくだ! わたしは自....
「狂女」より 著者:秋田滋
あの女を蒲団に寝かせたまま、寒い、寂しい森のなかに捨てたのだ。おのれの固定観念に
固執して、彼女は、厚くて軽い雪の蒲団に覆われて、手も動かさず、足も動かさず、命を....
「城」より 著者:カフカフランツ
うの意味をもつのだ、といつでも考えていました」
「いや」と、村長はKのその一言に
固執しながら、いった。「そういう電話の返事にはほんとうの意味があるんですよ。どう....
「変身」より 著者:カフカフランツ
けではなく、どうしてもなくてはならないソファは例外として、家具全体を片づけようと
固執する十分な理由であった。妹がこうした要求をもち出すようになったのは、むろんた....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
題もスペイン問題同様、面倒極まるものになりそうである。ある日、エセックスが、その
固執する論題――対スペイン和平は屈辱なり――について一場の熱烈な演説を試みると、....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
う。 また、もしウォーレスやダーウィンが古い書物の中に事実と思想とを探すことに
固執していたとしたら、植物や動物の進化という学問はどんなになったろうか。この先駆....
「噴水物語」より 著者:岡本かの子
」の一点張りだった。私はいくら美しく智的詩人型の若夫人でも、あんまり自分の幻想に
固執して老夫を労わらなさ過ぎる態度に嫌な気がして遠のいてしまった。....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
たりき、他人の詞を聞くに及ばず」と嘆声を発せしめ奉ったほどに強情で、己の判断力に
固執した人物であることを考えると、彼は権力と己の芸術心との間に煩悶懊悩した上で、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
々如々たる位置を守らしめるだけであります。もし一方に偏して、これを万病薬のように
固執するならば、腫物が癒ってなお膏薬を貼っているようなものであります。そうかとい....