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国育ち
「国育ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
国育ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「美少女」より 著者:太宰治
年すぎてしまった。六月にはいると、盆地特有の猛烈の暑熱が、じりじりやって来て、北
国育ちの私は、その仮借《かしゃく》なき、地の底から湧きかえるような熱気には、仰天....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
が自慢とは、五千石積んでもきかれぬ言葉じゃ。なにをかくそう、身共の先祖も同じこの
国育ち、そうきいては意地になっても取らせいではおかぬ。早う手を出せ」 「では、あ....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
着て、前垂がけで立ち働いている姿にすら、どことなく品があった。雪の深い水の清い山
国育ちということが、皮膚の色沢の優れて美しいのでも解る。 お作を周旋したのは、....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
ならお座敷切りという事も有りましたが、岡場所では左様なことは有りませんが、そこが
国育ちで知りませんから、成程そうかと又四五日置いて来ましたが、また振られ、又二三....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
あの観世様を愛するようになりました。どうぞおさげすみくださいますな。妾のような異
国育ちのものは、愛とか恋とかいうようなことを、憚からず申すものでございますから。....
「鼠」より 著者:岡本綺堂
きの山桜の大樹のかげから、ひとりの男が姿をあらわした。かれは六十前後、見るから山
国育ちの頑丈そうな大男で、小脇には二、三枚の毛皮をかかえていた。 「もし、お江戸....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
その新進気鋭なことと、次の時代に活眼をもっている点では、諸侯の中の新人として、戦
国育ちの腕自慢ばかりを事としている荒胆な老大名よりは、遥かに立ち勝っているところ....
「三国志」より 著者:吉川英治
いたようなものだった。 「曹軍の強勇なことは確かだが、それも陸兵だけのことだ。北
国育ちの野将山兵に、何で江上の水軍があやつれよう。馬上でこそ口をきけ、いかに曹操....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
条の住居を訪ねていた。為定は後に“新千載和歌集”を撰した当代著名な歌人である。東
国育ちの武家の子又太郎にしては、そんな文雅な人を訪うのはためらわれたが、これは母....