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国色
「国色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
国色の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
たもので、一匹の年ふる大猿が石の榻の上に横たわりながら唸っていると、そのそばには
国色ともいうべき美女三人が控えています。李はその猿の脈を取り、傷をあらためて、ま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
浅井氏亡ぶる時に里へ戻された信長の妹お市の方は、美男として聞えた信長の妹であり、
国色として絶倫な淀君の母であるだけに、残《のこ》んの色香《いろか》人を迷わしむる....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
惚れたとか、惚れられたとかいう奴等、そして男の方は私等構わんが、女どもはいずれも
国色じゃで、先生|難有いじゃろ。」 ぎろりとした眼で島野を見ると、紳士は苦笑し....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
婉な姿で、西をさして徐かに過ぎ去った。 喬生は月のひかりで窺うと、女はまことに
国色(国内随一の美人)ともいうべき美人であるので、神魂飄蕩、われにもあらず浮かれ....
「書記官」より 著者:川上眉山
入浴りなさるの。幕なしねえ。と罪なげに笑う。笑顔の匂いは言わん方なし。 親子、
国色、東京のもの、と辰弥は胸に繰り返しつつ浴場へと行きぬ。あとより来るは布袋殿な....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
第一だから、これを花王《かおう》と唱《とな》えた。さらに富貴花《ふうきか》、天香
国色《てんこうこくしょく》、花神《かしん》などの名が呼ばれている。宋《そう》の欧....
「牡丹灯籠 牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
来たが、その女は年の比十七八の紅裙翠袖の美人で、月の光にすかしてみると韶顔稚歯の
国色であるから、喬生は神魂瓢蕩、己で己を抑えることができないので、女の後になり前....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
へ下りた美人がある。 阿波にはたくさんに美人がいるが、あの豊麗な、肉感的な、南
国色の娘たちとは、これはまた、クッキリと趣をかえた美人。 太夫鹿の子の腰帯に、....
「三国志」より 著者:吉川英治
こから起ったものである。本来は支那の――この国のもっとも尊い色であるはずの黄土の
国色も、今は、善良な民の眼をふるえ上がらせる、悪鬼の象徴になっていた。 「ああ、....
「三国志」より 著者:吉川英治
高く天産は豊饒で、いわゆる南方系の文化と北方系の文化との飽和によって、宛然たる呉
国色をここに劃し、人の気風は軽敏で利に明るく、また進取的であった。 彗星的な風....