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国賊
「国賊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
国賊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
で底知れぬ泥土《でいど》の中に深々ともぐり込んで行く事を知った。売国|奴《ど》、
国賊、――あるいはそういう名が倉地の名に加えられるかもしれない……と思っただけで....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
えた。しかも、事ある毎にオヤジから「虎《とら》」(ウルトラという意味)だとか、「
国賊」だとか云われていた恐ろしい「共産党」が太田であり、それは又自分たちには見え....
「怪塔王」より 著者:海野十三
なんでも、それはあまりに大胆すぎる結論だぞ。あの尊敬すべき国宝的学者が、まさか大
国賊になろうとは思われない」 「でも、大利根博士邸で発見されたいろいろな怪しいこ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
せるのが、さほどまで情ないか。洟垂しが、俺は料簡が広いから可いが、気の早いものは
国賊だと思うぞ、汝。俺なぞは、鉱蔵は、村はもとよりここに居るただこの人民蒼生のた....
「空襲警報」より 著者:海野十三
…。いや、今はそんなことを考えている時ではない! 眼前に、大変な流言を吐いている
国賊がいるのだ! 「ねえ兼ちゃん。向こうで皆を集めてしゃべっている背広男がいるだ....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
って、憲兵の親玉はセセラ笑い、キサマのようなロクでもない商売で金をもうける奴は、
国賊だ、サッサと死んでしまえ、と怒鳴りつけたのである。 最も熱烈な愛国者の一人....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
つくしているのに、学生は野球にふけり、映画見物に憂身をやつしている。学生といえば
国賊のように罵られて、時局認識がないことを叩かれていたものであった。 そのうち....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
ある。 しかるに、政治家のみは、自らは暖衣飽食しながら、国民に向って、ヤミ屋は
国賊だといい、千八百円ベースの配給生活に耐えざるものは罪人であるかのごとくいう。....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
間みんな学生女生徒まで工場へ住みこんだのだから、この年ばかりは海水浴の人間などは
国賊になりかねない時世になつてゐるのだ。もはや新潟の海で泳ぐわけにも行かないから....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
るで結納のように飾りたてた高価な進物をくれた。 そうこうするうちオメカケなぞは
国賊のような時世となって、まっさきに徴用されそうな形勢だから、母は慌ててやむなく....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
友ならびに大衆の面前で憶するところなく闡説し、 「念仏無間。禅天魔。真言亡国。律
国賊。既成の諸宗はことごとく堕地獄の因縁である」と宣言した。 大衆は愕然とした....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
にすんだが、たまに外出するとき、普通のあり合わせの帽子をかぶつて出ると、たちまち
国賊を見つけたような憎悪の眼を光らせたのは、だれでもない、親愛なる同胞諸君であつ....
「終戦前後」より 著者:織田作之助
終戦後、新聞の論調の変化を、まるでレヴューを見る如く、面白いと思ったが、しかし、
国賊という言葉はさすがの新聞も使わなかった。が、私は「
国賊にして国辱」なる多くの....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
票前夜に社会民衆党の公認候補馬島※氏側が「満州を支那に返せという大衆党(浅沼)は
国賊である」とのビラを全選挙区にばらまいた。 私も運動員たちもこの選挙は必勝を....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
他宗派を攻撃し、時に念仏とは全く反対の道を歩んだ。念仏無間、禅天魔、真言亡国、律
国賊とは、彼のいわゆる四個の格言であるが、中にも念仏者は正法を誹謗するもので、阿....